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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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故郷へ帰った (二)

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 こういう愛情にあふれた、気疲れのする寿し屋がある一方、近年は大衆的な「回転ずし」が繁盛している。
 回転ずしがすっかり定着したためか、子供を普通のすし屋に連れてゆくと、
「お父さん、このおすし屋さんは回らないの?」と質問されることがあるという。

 回転ずしのよいところは、好きなものを明朗会計で食べられるところだ。
しかし、回っているのを見ていると、とても寿しとは思えないものもある。
納豆やウナギはまだ許せるが、ハンバーグやエビフライが乗っかったものもある。
そのうち、ギョーザやホルモンが乗っかるかもしれない。最後は請求書と一緒に胃腸薬が回るおそれもある。
銀座のすし屋だと、請求書が回った後で目が回る人もいるだろうが、回転寿司では、よほどの大食いでない限り、そういう事は少ない。

 回転ずしを発明したのは誰だろう? エジソンではないと思う。
寿しやで、大将と向かい合うのが苦手な人が思いついたのか。
それとも、自宅がカジノで、子供のころからルーレットを見慣れた人が、思いついたのか。
でもたぶん、平凡だが、工場のベルトコンベアを見慣れた人が考えついたのだろう。
この機械の特許を取った人は、回転寿司の寿しを食べることはないだろう。
いつも銀座のすし屋に行くだろう。

 私は回転ずしはあまり好きではない。
理由は、何べん回っても、誰も手を出さない寿しを見ていると、可哀想になるからだ。
恵まれた寿しと恵まれない寿しの格差を見たくないので、私は普通のすし屋に行くことにしている。