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ヤブ田玄白
ヤブ田玄白
novelistID. 32390
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「オオカミ婆ちゃん」なのか

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仕事始め




 仕事始めの1月4日。
世間ではまだ正月だ。電車も空いていた。

しかし予想に反して、午前中は患者さんが多かった。
昼ごはんにありついたのは、定刻の12時をとっくに過ぎて1時近かった。(あとで、医務課の課長に時間外手当の交渉をしなければならない)。

昼ごはんが遅くなったのは、面倒な要求をする患者さんとその家族が来院したためである。

 その患者さんと家族は、診察開始の9時前から待合室で待っていた。
息子らしい、60代ぐらいのきちんとした身なりの男と、車椅子にグッタリ腰を下ろした高齢の男性。
呼び出しのピンポーンとともに二人は診察室に入ってきた。