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ヤマト航海日誌7

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わかりますね。2020と2021の2年間に東京で確認された感染者の累計は38万人。それが今年の1月だけで半分以上の20万が新たに確認され、さらにその後の10日間だけで20万が新たに確認されたと言う。40万人。1200万のうちの40万というのは30にひとりの割だ。おれが住んでるまわりに30にひとりの割で、今年になって検査を受けて「陽性」と言われた者がいることになる。

ごく簡単な算数だから、この計算が正しいのがわかりますね。そして3人にひとりとか、6人にひとりくらいの割で今年になって検査を受けた者がいなければならない。東京に限らず、日本のどこでも。厚労省がインチキをしていないなら。

テレビが言う新たな感染者の数が本当であるのなら。そこで伺いますが、これを読んでるあなたは今年になってから、コロナの検査を受けましたか。あなたのまわりで確かに数人にひとりの割で、コロナの検査を受けていますか。

違うとしたら話がおかしい。わかりますね。たとえばこれを読んでる方に、床屋さんがいるかもしれない。明日からすべてのお客さんに、訊いてみてはいかがでしょうか。

「今年になってコロナの検査を受けましたか」

と。すると数人にひとりの割で「受けたが幸い〈陰性〉だった」とか言うようならテレビの言うことは正しいとわかる。30人にひとりの割で「受けてない。ボクは受けてない!」と血相を変えて叫ぶようならテレビの言うことは正しいとわかる。しかし一日の客がみんな、

「いや、受けてない。検査してるの見たこともないな」

と当惑した顔で言うようならば話がおかしいことになる。1200万人中の40万。120分の4は30分の1だ。30人にひとりの割で今年になって検査の結果、「お前は感染者だ」と言われた者がいるはずなのに。

おかしいでしょう。言われたお客がサッパリした頭でもって店を出てから「はてな」と思い、

「そう言やおれの職場でも、従業員が100人いるけど今年になって検査を受けた話を聞いたことないな。出入りしている業者さんもコロナの話はみんなするけど今年になって検査を受けたというのは聞いた憶えがない」

と考える。家に帰って彼の息子に、

「お前の学校、何千人も生徒がいるわけだよな。今年になってやっぱりたくさん感染者が出てるのか」

と訊いてみると、

「うん? 別に聞かないなあ。志村けんが死んだ頃に入学したでしょ。1年のときはチラホラいたけど、2年になって全然聞かない」

「今は2年の3学期だよな」

「うん。全然聞かないよ」

「そんなバカな話があるか。2学期の頃ならまだしも、今だぞ。今年になってこの40日間だけで、前の2年間よりも多く確認されてるんだぞ。1200万人中の40万は30人にひとりなんだぞ。お前の学校にいないわけない」

「そんなこと言っても全然聞かないもの」

「生徒じゃなくても、家族が確認されたとか」

「今年になって? そんな話も聞かないなあ」

「じゃあ、コロナの検査を受けたって言うやつはいるのか」

「いや、それも聞かないね。検査なんてどこでしてるの?」

「おれも知らない。どこでしてんだ?」

3人にひとりとか、6人にひとりくらいの割で検査を受けているはずなのに! しかしおそらくあなたが誰と話しても、このような会話になるのじゃないでしょうか。今年になってあなたは検査を受けていないし、まわりに自分は検査を受けたと答える者もほとんどないのじゃありませんか。

「本当か? 結果はいい。ヨーセーかインセーかはいいから受けたなら言ってくれ。検査なんかどこでしてんだ」

「だから、知らないって。やってんのを見たこともないし話も聞かないよ」

「どっかの駅で改札を出たもん全部捕まえて検査するとか……」

「してんのかなあ。だからそういう話も聞かんが」

「じゃあ一体、どこでどうやって検査してんだ? 日に何人検査してんだ?」

とね。テレビが言う【新たな感染の確認数】は検査の結果〈陽性〉と出た人間の数なのだから、どっかでローラー作戦でもやっていないと話がおかしい。しかしそんな話を聞かない。どういうことだ――。

と、おれはあなたにこのような話を人としてほしい。そして気づいてほしいのだ。厚労省はインチキをしてると。検査なんかしてないし確認された者もいないと。学者やマスコミや政治家を騙せているから一般人が気づくわけない、騙し続けていられると思い込んでいるのだと。

永久にだ。コロナを使えば世を恐怖で支配できる。他に対して「これはやっちゃダメ。これはやってよい」というのを自分が決めて有無を言わせず従わせてやることができる。忘れるな、我の言うことに従わなければお前は死ぬしお前のせいで何千、何万、何億という人間が死ぬことになる。だから従え。質問は許さん。お前はひたすら従えばよいのだ。

とね。顔だけは聖人君子を装いながら。歴史上の恐怖支配者がすべてそうであったように。

その手先となった者すべてがそうであったように。だが今だけで、〈波〉が来たときに本性を現す気でいる。それ見たことか、そう言う気でいる。ワタシがあれだけ防ごうとしたのに防げなかったのは、お前達が悪いのだ。日本で1億、世界で60億人が死んでわずかしか残らなかった。ワタシがあれだけ言ったのに。マスコミを通じてあれほど、あれほど。

かくなる上はもう甘い顔は見せん。今後は我の言うことに、絶対服従。背く者には容赦のない罰を加える――エリートどもがみんなそういう考えで〈波〉を待ち望んでいるのが顔見りゃわかるでしょう。「新型コロナウイルス感染拡大防止の観点」と言うやつみんな、来てほしいのだ。何十億が死ぬのを待ち望んでいる。そのとき自分がジョン・コナー、あるいはカイル・リースになれると思い込んでいるから。

コロナは〈スカイネット〉だと、エリートどもは信じ込んでる。映画『ターミネーター』のあれだ。WHOが信じるから厚労省の役人が信じ、学者が信じて自分こそ救世主のジョン・コナーになる者だと思い込む。マスコミや政治家は彼の下で戦う男、よりおいしいドラマの主役カイル・リースになれると信じ、一般市民の中にもそう思い込む者が出る。

だからコロナは〈スカイネット〉だ。東京の感染者数が〈ある数字〉になったとき自我に目覚めて人類を【抹殺すべき対象】と見なし、毒を放って何十億も殺すのだけどそのときこそ、この自分がジョン・コナー、あるいはカイル・リースになれるときなのだ。「だから言ったろ。ボクがあれほど」と生き残ったわずかな者に言ってやれるときなのだ。その後に命令は絶対として、決して逆らえないようにできる。

と、そういう考えでいる。もちろんこいつらの正体は、ジョン・コナーやカイル・リースでなくスターリンや金日成だ。そして麻原彰晃と上祐史浩であるがゆえに社会に対して〈ポア〉を企む。

それが今の日本ともちろん世界全体で起きてることだ。おれは実は知ってるんだが、厚労省はいま東京で日に6千しか検査してない。それができる限界であり、それ以上やってもしょうがないことを連中はよく知っている。
作品名:ヤマト航海日誌7 作家名:島田信之