円談
起
「…お姉さま。以上が今期の学院での集計です。去年度より少し良くなっていると思います。お姉さまのこの前の成果が出て来ましたね!」
「ありがとう藍さん。わたくしも嬉しいです。資料は預かっておきますね。」
セントラルフェアリー学院生徒会長の仕事は順調である。
わたくし、凍雪吹(こごえる ふぶき)にとってこれは生きがいでもあり、責任だ。
学院内生徒達一人一人が規律を重んじ、共に進む道を作る為なら喜んで身を粉にする。それはわたくしが覚悟して選んだものなのだから。
「お姉さま。それでは藍はこれで。」
「つっ……。」
「?お姉さまどうかなされました?」
「いえ。なんでもありませんわ。また後でね。」
「はい!ではまた!」
この生徒会の任を承りしばらくした後の事件で、わたくしはこの責任というモノを強く思い知らされる事となった。
あの時、あの場所でのわたくしは無力であり、今でもその責任を負わされ続けている。