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桐生甘太郎
桐生甘太郎
novelistID. 68250
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愛しの幽霊さま(1)〜(5)

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第5話 私に守護霊は居ないそうです






その日、私は真依と街に遊びに出ようという話になって、自宅でまずお気に入りのワンピースに着替えてから、眉を描いて、マスカラもした。

まだルージュを引く勇気、出ないなあ…。

姿見の前でちょっと前髪を直しながら、青と緑のタータンチェックの切り返しがウエストを締めて、ふわっと広がっているのを見る。

ダイエットしなきゃ。もっと足細くなりたい。


そう思っていると、着替えが終わったことを察知したのか、後ろから時彦さんの声が聴こえてきた。


「出かけるの?」

私が振り向くと、彼はベッドに腰掛けて、自分の膝に肘をついてこちらを見つめていた。

時彦さんが私のベッドに座ってる!

そう思って私はまたドキドキしたけど、何食わぬ顔をつくろって返事をした。

「は、はい、友だちと…」

時彦さんはそれを聞いて、なぜかあまり喜んだ顔をしなかった。

「そう…、気をつけて」

「う、うん…」






まずは舞依と合流して、最初はアイス屋さんに行った。その後はファスフード店。お目当ては真依の好きなアイドルのクリアファイルがついてくるハンバーガーセット。私の分のクリアファイルは、真依にあげちゃった。


「ありがとう〜!持つべきものは友だちだよね!」

ファストフードの店内で両手を広げて大げさなことを言う舞依に、私はクリアファイルを渡して、ジュースを飲む。

「まったく、ゲンキンなんだから」

「そんなことないよ!雪乃になんかあったら駆けつけるもん!」

「ふふ、ありがと」


その後は、喫茶店で一時間くらいおしゃべりをして解散。

その時、舞依とこんな話をした。


「ねえ雪乃。最近さ、何かあった?前は前でちょっと心配になるくらい大人しかったけど、最近はすっごい元気そう。いいことだけど」

どうしよう。私はそう思った。

素直に答えるわけにもいかないし…。それにしても、私、そんなに顔に出ちゃってるんだ。

確かに、「家に帰れば時彦さんがいる」って思うと、自然と元気が出るんだよね。

私は考え込むふうにしながら、舞依に嘘をつかない言い方を考えていた。とは言っても、こんなの嘘をつく以外に方法はない。

仕方がないから、私はこう言った。

「うーん、実は舞依にはあとから話そうと思ってたんだけど…。好きな人がいて、それで、かな。誰なのかとかは話せない。ごめんね」

私がそう言うと、舞依も「うーん」と考え込んでしまった。そして、うつむいて顎に片手を当てたまま、舞依は目で私を見つめる。

「変な人、じゃないよね?不良とか…」

幽霊って…「変な人」なのかしら。

で、でも!時彦さんは優しくていい人なんだから!

「うん、大丈夫。すごく優しい人だよ。だから…」

私は先を言えなかった。でも舞依は急に椅子から身を乗り出す。

「好きなんだ?」

途端に私は、顔が燃えるように熱くなった。

「やめてよ、急にそんなこと言うの!」

私は人前でそんなことを言われるのが恥ずかしくて、思わず真依をにらむ。

「雪乃、顔真っ赤っか」

「うるさいなあ…」

私はなんとかそう言ったけど、舞依は構わずニヤニヤして、ストロベリークリームをストローで吸っていた。