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端数報告2

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数ではなくて割合を言え、というお話


 
コロナの感染者数は毎日、ひたすらひたすら増えていく。
 
「今日はコロナの感染者が3456人。過去最大を更新しました!」
 
その翌日に、
 
「今日はコロナの感染者が3567人。過去最大を更新しました!」
 
その翌日に、
 
「今日はコロナの感染者が3678人。過去最大を更新しました!」
 
という具合だが、それを見ていて「おかしいな」と思うのは日本でおれだけなのだろうか。
 
「おかしいな。確か4月か5月頃は、
『今日はコロナの感染者が50人。一千人を検査してこの数字です。5パーセント! 20人にひとりが感染してるということですよ。これはいつ第2波が起きても不思議のない状況と言えます』
なんてテレビは言ってたはずだ。日に検査する人数が千人のまま変わらないなら、検査の結果〈陽性〉と出る人間の数が千を超えることはない。それがどうして三千とかそれ以上の数になるんだ?」
 
と。ついこないだに《コロナについて付け加えることはもうないだろう》なんて書いておきながら付け加えているわけだが、おかしいとは思いませんか。政府は日に検査する人数を毎日少しずつ増やしとりゃせんのか。
 
画像:四方修(いやそんなのないよ)
 
そうかなあ。5月頃から日に1000、1100、1200……と少しずつ増やしていって今では日に十万人を検査している。〈千人を検査して30人〉と〈十万を検査して3000人〉は3パーセントで同じなんだがこうやれば、凄まじい勢いで感染が拡大しているように見せかけられる。
 
という話じゃねえだろうなまったく。それをやったらどんどん記録を更新するに決まってんじゃねえか。『感染者数を発表する』というのがそもそも最初から、おれはおかしいと思っていた。〈感染者数〉は実際の日本全体の数ではなくて日に○人を検査したうち△人が陽性だったという、その△の数字なわけだろ。分母の○を一定にして初めて意味を持つ数字だ。けれどもどうやら数が定まってないようだし、分母を明らかにすることも少ない。
 
と前から感じていた。4月頃からね。○が一定でなく明確でない場合、△の数字は信用できない。
 
 
 インチキがある。
 
 
というわけだ。そしてどうやら最近になって、特に極端になったんじゃねえのか。先月までは1000、1100、1200……2000、2100、2200……と少しずつ少しずつだったからおれにも見えにくかったのが、一気にドバッと日に一万から十万に増やし、さらに11万、12万と日に一万ずつ増やし始めたなんてことは。
 
画像:四方修(いやそんなのないよ)
 
そうかなあ。問題にすべきはパーセンテージであって人数じゃない。一千人を検査してうち50人が陽性なのと、十万人を検査して5000人が陽性なのは5パーセントで同じことだ。一千万なら五十万、二千万で百万人が感染してると推定できる。
 
というふうに政府は発表すべきなのにそうしていない。発表するのは感染者数だけ。その数字は減ってはならないものとするから、検査する数を増やすことで毎日底上げしてんじゃないのか。
 
という疑いをおれは持たずにられないのだがどんなもんでしょうね皆さん。もうひとつ不思議なのはおれ自身はコロナ検査をしてるとこなど一度も見たことがないことで、どこでやってるんだ。本当にやってるのか? 実は今でも日に千人程度しかやっていないしできないのに、今日は3456人、3567、3678、3789人と適当に増やした数字を出してやがるんじゃねえだろうな。
 
画像:四方修(いやそんなのないよ)
 
そうっすかあ? おれは信用できんのだけど。死者の数はごまかすわけにいかないが感染者数はいくらでも粉飾が利くのだ。それは疑いない。『最大数をまた更新』と毎日のように言うけどどうやって出してる数字なのか。
 
不透明だ、と思いませんかねえ皆さん。感染者数に意味はない。意味のない数字を発表してると思いませんかねえ皆さん。おれは最初から、そう思っていたんだけど。
『都民1000人を検査したうち50人が陽性なので5パーセント。東京都で60万、首都圏で200万が感染していると推定できます』
と。だから発表ってのはこのように言わなきゃダメなもんじゃねえの。パーセントだよ、パーセント。数ではなくて割合を言え、と最初から思っていた。割合を言わず数を言う。ただ感染者数だけ言う。ならばそいつは嘘をついているとわかる――そのようにおれは考える人間であり、遠藤誠や周防正行の嘘をそうして見破り、書いてきた。
 
そのおれが言うのだ。この〈コロナ禍〉というやつは全部が全部まやかしだと。起きてない〈禍〉を腐ったエリートどもが起きているように見せかけているだけなのだと。
 
〈感染者数〉は操作できる。検査する数を増やせば増やせて、嘘をついていることにならない。「消防署の方から来た」と言うのと同じだ。わかるだろう、
「今日はコロナの感染者が△人!」
と言うのはつまり、
「今日は消防署の方から来た人が△人!」
と言っているのとまったく同じなのである。そしてそれが増えていく。消防署から少し離れたところに立ってて、そちらからやって来る人に、
「アナタは今あの消防署の方から来ましたね?」
と聞いたら相手は、
「ええまあ」
と応えるだろう。これをやったら、消防署の方から来る人がどんどん無制限に増えていってしまうのだ。
 
いくらでも増やすことができるのだ。そして政府とマスコミは、これをやってるとしか思えん。おれには。〈感染者数〉は操作できる数字だ。だから、操作しよう。毎日毎日最大数を更新するよう細工しよう。数がどんどん増えてくように大衆に見せかけるのだ。
 
と言ってその通りにしている。『減らしてはいけない数字』ということにしたものだから増やさねばならない。増やすのは正義だ。正義のためなのだ。
 
とエリートどもが言って正当化している――おれにはそうとしか思えん。なぜか。コロナにもっとたくさん人を殺してほしいからだ。
 
コロナは〈禍〉でなきゃいけないのに、死ぬのは老人が日に数人。それは本当の〈禍〉と言えない。一年かけて95年の阪神大震災の死者の半分にもならず、津波や火山噴火のように何もかもが押し流されるわけでもない。
 
それは本当の〈禍〉と言えない。11年の震災を超えるくらいの〈禍〉でなきゃ困る。あれは死者数もさることながら、いろいろとおまけ付きだった。コロナはおまけ無しだから、最低でも百万人は死んでくれなきゃ……。
 
困る。エリートはそう思ってる。古代進になりたいからだ。コロナに〈波〉を起こしてもらい、百万人が死んで初めて古代進になることができる。
 
実はコロナは初めから日本を狙っていたことにしたい。それには日本だけで死者の半数を占めるくらいにならねばいけない。最低で百万だ。それだけ死んで初めて自分が〈ミスター・コロナ〉。グリ森事件の再現ドラマで上川隆也が演じた新聞記者。あれだ。あれこそが松本零士『スタンレーの魔女』の主人公・敷井でありつまり『ヤマト』の古代進。自分がそれになるためには日本国民に最低百万どうしても死んでもらわなきゃいけない。
 
画像:グリコのネオンを見上げる上川
 
作品名:端数報告2 作家名:島田信之