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桐生甘太郎
桐生甘太郎
novelistID. 68250
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青い絆創膏(前編)

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4話「突然のこと」






翌朝私が目覚めた時に、お父さんはもう朝食を済ませて出かけるところらしかった。その時お父さんが私を見て、「どこに行ってたんだ昨日」と聞いてきた。その様子は何か不満げで気に入らない様子で、私はちょっと怖かった気持ちもあったけど、何よりその父親の容赦のない言葉に傷つき、思わず黙り込んでしまう。すると、脇からお母さんが説明してくれた。

「お友達と遊びに行ってたんですって。そう遠くもなかったし、どうしても遅くなるだけだったみたいよ」

お母さんが「ライブ」という言葉を出さなかったのは、近頃本当に短気になったお父さんを刺激しないためだったんだろう。でも、それは無駄だった。お父さんは苛立たしげにため息をつき、手に持っていた鞄の持ち手を大仰に持ち直す。

「とうとう娘がぐれたのか!どいつもこいつも、勝手にしろ!」

私とお母さんは言葉を失くし、その場に立っていた。その間にお父さんはどかどかと玄関まで歩いて行き、バタンと思い切り扉を閉めた。

「…凛、ごはんにしましょう…学校に行かなけりゃ…」

お母さんは唇を震わせ、玄関を睨んでいた。私は一体何を言えばいいのかわからなくなって、「うん」とだけ返事をした。


作品名:青い絆創膏(前編) 作家名:桐生甘太郎