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第三話 くらしの中で

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その三



でも夫も私も娘達に良いことがあると喜び、心配事があると命を掛けて頑張りました。
私が娘に、もう一度大学生活をしたい、東京の大学で、と言ったことがあります。
娘はこう言いました。
お母さんは二人の娘の大学生活と自分の大学生活を三つ味わったのだから、それで十分じゃないのと。
私もそう思って聴いていました。

二人の娘が良い学校へ行けたことは私にとっては最高の喜びでした。
その後次女に子供が生まれたときも、自分の子供よりも可愛くて、寄り添って育てたのは10年あまりでした。

今はもう私の手を借りなくても二人でやっていけるようなので、私は田舎の家で過ごしています。でも娘が孫の写真をよく送ってくれるので、中学生のときも高校生の時も制服姿を見ることはできなかったけれどうれしかったです。


作品名:第三話 くらしの中で 作家名:笹峰霧子