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第三話 くらしの中で

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最近の老人たち


小都市に住まいを持つ私にとって若い人を間近に見る機会は極少ない。晴れた日に近くの児童公園&ウォーキング広場まで歩いて行くと幼児を連れた若いパパやママがいるぐらいだ。

その人達は自分にとっては異世界の人たちですれ違っても物を言うことも無いので私はベンチに座って俳句を考えたりして帰って来る。
シニアの男性は独りで、女性は群れてウォーキングしている。たまに中年の女性が独りで速歩していることもある。

近所の奧さんが申すには、毎日楽しみにしていた歩き仲間は次第に減って、たった一人残っていた仲間も脳梗塞で入院しているとのこと。人とのおしゃべりが趣味だと言っていた奧さんは話し相手がいなくなってさぞ寂しいことだろう。


最近自粛の生活の中、時々立ち寄る句友がいる。
彼女は多分買い物からの帰りに立ち寄るので、庭に置いているチェアに座って四方山話を暫くして帰って行く。

ついこの間までプラムが生っていたので、わがやへ来た者には自分で採って持ち帰らせている。生り物を採るのは街中では珍しいので皆喜んで採る。

この雨でもうプラムの収穫は終わりそうだ。



ところで国民が大騒動しているコロナのワクチンのことだが・・

老人の域の人達は二回とも済ませたという人が多い。
私は接種日が決まっていたのだが、娘がやめたほうが良いんじゃない?とメールを寄こしたのと、丁度その時分頭がふらふらすることがあったのでキャンセルしていた。

再度申請するときは主治医の医院でと思ってインターネットで申請したところ、お目当ての医院は満杯とのことで前回と同じ会館に申請する羽目になった。

聞く所によると、このワクチンもインフルエンザの予防接種と同じように毎年打つとのことで全く嫌なことだ。本当にそうなるのだろうか。

ちなみに肺炎の予防接種は五年に一度接種申請の用紙が市から配布されるが、私は接種をしたことがない。今年用紙が来たので主治医に聞いたら、接種をした方が良いと言われた。肺炎の予防接種をするにしてもコロナのワクチン接種が終って暫くしてからになるだろう。予防接種など小学生の時以来なので実に嫌だなと思う。

今のところ生き甲斐は畑の野菜が生長するのを眺めることだ。
自分が作って眺めるのだから隠居というほど楽ではないが。


 完
作品名:第三話 くらしの中で 作家名:笹峰霧子