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火曜日の幻想譚 Ⅱ

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159.岡目八目?



 おいおい、何やってんだよ。そこに俺が置けるじゃないか。ほら、早く置きな。さもないと相手に先越されちまうぞ。あーあ。先置かれてやんの。ダメだねえ。何とか勝ったけど、あれに気づかねえようじゃダメだよ。

 お? スピードはおしまいか? 次は七ならべかい。

 おいおいおいおい、いきなり俺出しちゃうのか? 俺はスペードの8だぞ? 俺すぐ出しちゃぁダメだろう? なるべくなるべく俺を出さないように引っ張っていくのが、七ならべの基本だろう。何やってんだ、ったく。今回もなんとか勝てたな。だが、あんな甘々なことやってたら次は勝てねぇぞ。

 今度は大富豪か。8切りありのルールなら、俺は重要だな。今度はさっきまでのようなミスはするなよ。

 ……って何だよ。今度も、いきなり俺出しちゃうの? もう少し出すところ、考えた方がいいと思うんだけどなあ。


 おや、ハートのAさん。何かお話しでもあるんですか? え。この二人、つきあって数カ月の間柄なんですか? で、そろそろいい頃合いなんだけど、彼の方がなかなか手を出して来ない、と。だから二人っきりの今日、勝った方が何しても良いってルールで遊んでるんですか。ははぁ、道理でなんか雑なプレイしてると思ったら、女性の方、ありていに言うと負けたいんですね。なるほど、合点がいきました。さすがハートのAさん、人の恋路をよく見ていらっしゃる。だからあんまり言ってやるなって? そうっすね、わかりました。

 で、お次は神経衰弱ですか。お嬢さん、頑張って彼氏と一つになれるといいですな。

 しかし彼氏さん、これだけやっても勝てないって相当運がないか、もしくはわざとやっててこれから別れ話でも切り出すつもりなんですかねぇ。


作品名:火曜日の幻想譚 Ⅱ 作家名:六色塔