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ヤマト航海日誌4

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2020.10.21 アルキメデスの大予言



今この世界でコロナについて正しいことを語るのは、昭和の戦争中の日本で「日本が敗ける」と言うようなものだ。

当時の日本国民は皆、天皇陛下は神だと思っていたのだから。ひとつ、神はイザという時にやってくれるものである。ふたつ、まだイザという時でない。みっつ、昭和天皇は、昭和天皇は神なのだ!

時が来たなら不屈の闘志で敵がどれだけいようとも、何か透明な力でもって打ち倒してくださるのだ。陀武流破朱詫阿炬鈴打(だぶるばすたあこれだ)!と――広島にピカが落ちてもまだ本気で一億がそう叫んでる状況では、真実に気づいていても言うことができない。コロナについての正しい話は「マスクなんか要らん」だが、国民みんなが狂ったことを信じていては事実を言っても吊るし上げを喰うだけだ。

だからこの4月にはもう、山崎貴の『アルキメデスの大戦』のアルキメデス君のように、ちゃんとわかって政治家どもに、


「緊急事態宣言を出すのは明らかな愚行だ。おやめになられた方が賢明かと」


と言った本当の天才もいるには違いないのだろうが、結果、階段から蹴り落とされたりして今は口をつぐんでいる。おれの『敵中1 セントエルモの灯』の「ワープテスト」の回で、島大介が古代について知っているのに、

   *

こんなことを話すには、艦内の空気が今は悪過ぎる。誰もが古代を疫病神と見ているのだ。おれの胸にしばらくはしまっておくしかないだろう。

   *

と考えるように、状況が変わるのを待って声を上げずにいるのだ。

けど、おれがちょい違うのは、こんなことをここに書いても今は誰も開けて読まない。読むのはおれの小説を盗もうとするやつだけだし、そんなやつもバカだから頭から否定するだけだし、だからと言って「こんなこと書いてるやつがここにいるゾ」と人に教えることはない。

というのが前の二回でよくわかったので安心して出しておくことができるのだ。いずれおれが正しいことが誰にでもわかるときが来て、こんなことを今この時点で予言していた人間がいたということを人が知る。

そう先でもないだろう、という確信のもとにこれを書く。話は前回と同じだけどね。

この8月にコロナの死者・重症者が一時的に増大し、「第2波だ」と騒がれたけど、おれは「バカか」と思っていた。


「いや、こりゃきっと、そいつらみんなコロナじゃなくてクーラー病になったんだよ。毎年この時期、そんなやつが風邪のウイルスにやられて熱を出したりとか、肺炎で死んだりするのは当たり前だよ」


と思っていた。そんな話をおれは前回ここに書いた。

その続きだが、おれの考えが正しいのならその連中、感染しても無症状でいたということだろう。ハダカでなんか寝なければそのままなんともなかったのに、やったせいで重症になり、死ぬ者さえ100人も出た。

ということ。つまり、コロナとは、


【感染しても体調に問題なければ無症状でいられるものとまず見ていいが、体調を崩すとマズイ】


というウイルス。そう考えていいことになる。高齢者が感染するとマズイのは高齢者がもともと体調が万全と言えない存在であるからだが、それだって、いわゆる〈年寄りの冷や水〉と言われるようなことをしなけりゃ滅多なことで重症にならん。そう考えていいことになる。大切なのは政治家どもが叫んでる「感染をしない、させない」などではない。


『ひとりひとりが体調に気を付けること。夜は暖かくして寝て、薄着でいたり、髪を濡れたままになどせず、汗をかいたら……などなどといった昔から言われる当たり前の風邪の注意事項を守ること』


だったわけだ。それが本当に大事なことで、ちょっと考えれば誰にでもわかるはずなのにないがしろにされている。

「感染をしない、させない」などというのぼせた言葉が叫ばれることで。これはまったく山崎貴のキムタク古代が「ひとりも死なせない」と言うのと同じで愚の極みなのだけれども、政治家という人種にはそんなことがわからない。

キムタク古代だからな。夏に犠牲が多く出た時、すぐに「これはコロナじゃない。真犯人はクーラーだ」と気づいてテレビで言える名探偵がいたらあの時期の死者は半分におさえられたかもしれない。おれはあいにくテレビで言える立場にないので責任がないが、政治家やマスコミには責任がある。

と言っていいんじゃねえかな。小池東京都知事とかもそうだが、池上彰とか。死んだ100人はこいつが殺したようなもんと言えるな。名前に〈池〉の字が付くやつにロクなもんはいねえ。

なんてことは別にないけど、とにかくだ。コロナは飛沫感染という。ヒマツカンセンなんて言葉、今年になって初めて聞いたが、怪しいもんだ。池上彰は、


「飛沫感染だ。マスクで感染拡大を防げる」


と言う。もっともらしいけれど、誰も彼もがマスクを着けてもう半年になるというのに人が感染するのはなぜだ。

〈蚊が媒介する〉とでも言うんだったらともかくさ。でもその場合打つ手がないなあ。おっさんどもが「コロナは飛沫感染」と言うのは、おっさんどもが「コロナは飛沫感染」ということにしたいからそう言ってるだけなんとちゃうのか。

なんの証拠も信頼できるデータもなしに、ただの希望的観測で「コロナは飛沫感染」と言ってる。それならマスクで防げるからだ。けれども全然、マスクによって防げてなんかいないじゃないか。

ならば空気感染だ。それ以外にないだろう、数字は嘘をつかないのだから。拡大は防ぎようがなく、マスクなんかするだけ無駄だ。すべての策はおまじないだ。

けれど恐れることはないのだ。コロナはたとえ感染しても、体調に問題なければ無症状でいられるのだから。風邪はもともとそういうもので、コロナは普通の風邪とたいして変わるところがないのだから。

だからと言ってもちろん油断してはいけない。しかし、「ただの風邪でも油断するな。肺炎で死ぬやつも大勢いるんだぞ」というのはその昔から人が言ってきたことであり、今年はむしろそのことをよく考えるチャンスだった。

が、そうなってない。小池都知事子や池上彰のように人として大事なものが欠けてるやつらが大事なことをないがしろにしているせいだ。だから名前に〈池〉の字が付くのにロクなやつはいないと言うんだ。

なんてことは別にないけど、とにかくだ。コロナは体調に問題なければ感染しても無症状でいられる。どこかの船を襲って何割も殺したような猛毒型はもうとっくに消えている。今の日本にいるコロナは、いい歳をして冷や水かぶるようなことばかりしていた志村けんや、夏にクーラーをガンガンかけてハダカで寝るようなバカを殺せる程度の弱毒型。

そしてたぶん、外国でもその状況は同じなんじゃねえのかな。日本で犠牲がかなり少なく済んできたのは日本がなんだかんだ言っていい国だからじゃないのか。

まだ犠牲者が多く出るのは国が貧しく多くの民が健康を保つことが難しい国なんじゃないのか。先進国やテロ集団の搾取で環境が破壊され、麻薬やエイズや人身売買がはびこって、子供が屑拾いをしてたり〈AK〉を持たされたりしている。
作品名:ヤマト航海日誌4 作家名:島田信之