小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

北へふたり旅 61話~65話

INDEX|1ページ/10ページ|

次のページ
 
北へふたり旅(61) 行くぜ北海道⑤
 
 忘れ物はなかった。無事、仙台駅のホームへ降りることができた。
(これで乗り換えができる)ホッと安堵のため息をつく。
このままホームで、後からやって来るはやぶさ11号を待てばいい。

 用事を思い出した。はやぶさの到着は15分後。
弁当を買うには充分だ。
50メートルほど先に、駅弁の売店が見えた。

 (楽勝だ。ゆっくり歩いてもじゅうぶん間に合う)

 売店に向かって歩きはじめた。そのときだった。
肩からおおきなバッグを下げた少人数の集団とすれ違った。
すれちがうたび、全員が会釈していく。

 (なんだぁ?。いまの人たちは・・・)
 
 気になった。足を駅弁の売店へ向けたまま、集団の行方を見守る。
3分後。反対側の11番ホームへ、後続のはやぶさが到着する。
このはやぶさは仙台駅で折り返す。

 (おなじ制服だ・・・どうやら乗客の一団ではなさそうだ)

 アナウンスが流れてきた。はやぶさがホームの彼方へ姿を見せた。
同じ制服の集団が一列にならんだ。
滑り込んでくる列車に向かい、制服のひとたちが頭を下げる。
「お疲れさまでした」降りてくる乗客ひとりひとりへ声をかけていく。

 (あ・・・神業を持つという、新幹線の清掃スタッフたちか)