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北へふたり旅 56話~60話

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北へふたり旅(56) 北へ行こう⑫

 20分ほどで宇都宮駅へ着いた。
改札を一歩出て驚いた。

 「え・・・まだ朝の8時を過ぎたばかりだ。
 もう、土産物屋があいているのか!」

 新幹線、在来線ともに、改札は2階にある。
改札を出ると、専門店街「とちぎグランマルシェ」が目の前にひろがる。
餃子、干ぴょう、イチゴ(とちおとめ)、レモン牛乳、とちまるくんなどが
知られているがここには、栃木県内のあらゆる商品が揃っている。
現地でなくても、まとめて買うことができる。

 営業期間は朝の8時から午後の9時。
急な出張でも、乗り継ぎの合間でも、お土産を買うことができる。
あちこちで土産を物色している、ビジネスマンの姿が見えた。 

 とりあえず土産物店を横目に見ながら、真っ直ぐ歩いた。
つきあたりにパン屋が開いていた。
購入したパンを店内の通路に面したカウンターで食べられる。

 「朝から電車に揺られ、小腹が空きました」

 妻が店へはいっていく。
買ったのは、ちぎってアップル。洋梨のデニッシュ。オレンジジュース。
ちぎってアップルはリンゴの果実が、しっとりしたパンに包まれている。
それを手でちぎって食べる。
しかし妻は待ちきれないのか、ちぎらずがぶりとかぶりついた。