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耐える力

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その六



子育てが一段落すると女も男もお母さんお父さんの責任から少しずつ距離を置き、見守りの役目をしながら自分の愉しみを見つけるようになる。

男は趣味にのめりこみ妻のことを顧みない。女が子育ての間男を顧みないのと同じだ。
男も女も自分の世界の中に没頭する。

その世界には複雑な対人関係が生じ自分に向かってくる圧力に対して闘う力が必要となる。
仕事を持つ者はその社会で闘い、仕事を持たない主婦の生活では付き合う人と闘い、はたまた趣味の世界は壮絶な闘いの場所ともなる。



私は音楽や生活勉強会などで仲間の争いをじっくり見て来た。
退会してのちもその確執を聞く度にまだその闘いが繰り広げられているのかを知る。
公の会というものは表立った争いは控えなければならない。

そこで大人として「耐える力」が如何ほどあるかが会を続けて行けるか行けないかの分かれ道となる。闘いの中で彼らは年老いて、或る者は痴呆になり介護施設に預けられたり、あの世へ逝った報を知ることもある。


私は子供が自立した時点でバーチャルの世界に入った。SNSでの大勢の人との出会いの中で取捨選択を強いられてきた。教えられることも多々あるが、醜い人柄を見せつけられることもある。
バーチャルはすぐに切ることができると思われているが、そうもいかないことが生じてくる。バーチャルでの繋がりがなにがしかの関わりでリアルに移行することもあるのだ。リアルに移行したとき豹変する傲慢さを見せつけられることがある。

私は耐えねばならぬと自分に言い聞かせてきたが、私サイドの人たちは必死になってその繫がりを切るよう忠告する。
「耐える力」が必要なのか、周りの意見を聞いたほうが良いのか、最後に決断をするのは自分なのだ。


作品名:耐える力 作家名:笹峰霧子