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オヤジ達の白球 61話~65話

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オヤジ達の白球(61)おくりオオカミ

 午後6時。薄墨色の空から舞い降りてくる雪が、激しさを増してきた。
闇が濃くなってきた。雪の粒がさらにおおきくなる。
居酒屋から駆けだした男たちがたちまちの雪だるまになりながら、八方へ散っていく。

 「祐介。みんな帰っちまったよ。
 臆病風に吹かれて全員、急いでわが家へ戻って行っちまったねぇ」

 戸口に立った陽子が、祐介を振り返る。

 「しかたねぇさ。この雪の、この降り様だ。
 そういう俺たちもいまのうちに帰らないと、家にたどり着けなくなる。
 だいいち。おまえの家の前には急な坂があるだろう。
 登れるのか、あの坂道を」

 あと片づけは明日にして、俺たちも早く帰ろうぜと問いかけた時、
陽子が「問題はそれだ」と溜息をつく。