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道の想い出

　　段々畑を望む道
　　小川の端の草むらに
　　春を見つけたのは誰

　　曲がりくねった丘の道
　　黄昏色の麦畑を
　　走り去る風を見たのは誰

　　岬の先の草の道
　　波の砕けるその音に
　　心を揺らすのは誰

　　線路づたいの細い道
　　列車の来ない踏切で
　　たんぽぽをかざすのは誰

　　雨上がりの道レンガ塀
　　水たまりの中の青空に
　　映るその人は誰

　　細い路地裏手鞠唄
　　手からこぼれた想い出を
　　目で追う幼な子のように
　　立ちつくすのは誰
　　ころがり去る想い出を
　　拾いあげて微笑んだのは誰