【詩集】 蒼い風
白鷺
川辺に集う鳥が飛び立つのを見ていた
鈍色の町にひときわ目立つ白い鳥
ドアの隙間から少しだけ吹き込む風に
制服の胸元をおさえながら
窓のむこうの鳥を見ていた。
そして、ガラスに映るあなたを
眩しすぎて、見ることのできないあなたを
ドアが開くたびに、あなたは見えなくなる
つぎに扉が閉まったとき、あなたはもういない
去ってゆく後ろ姿だけが
鏡越しでないあなたの思い出
いまはもう
窓に映るあなたはいない
漆黒の闇のむこうに面影をもとめても
もうそこには飛び立つ鳥はいない
川辺に集う鳥が飛び立つのを見ていた
鈍色の町にひときわ目立つ白い鳥
ドアの隙間から少しだけ吹き込む風に
制服の胸元をおさえながら
窓のむこうの鳥を見ていた。
そして、ガラスに映るあなたを
眩しすぎて、見ることのできないあなたを
ドアが開くたびに、あなたは見えなくなる
つぎに扉が閉まったとき、あなたはもういない
去ってゆく後ろ姿だけが
鏡越しでないあなたの思い出
いまはもう
窓に映るあなたはいない
漆黒の闇のむこうに面影をもとめても
もうそこには飛び立つ鳥はいない