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花は散っても

　誰もが讃える春の桜
　陽を翳らせるほどに咲き誇る花
　ひとときの華やぎは風と散り地に墜ちて
　見上げる人々に踏みしだかれて朽ちてゆく
　その季節さえ行き過ぎて
　葉群に花は埋もれても
　桜は密かに咲き誇る
　たとえ秋に枯れ落ちて
　冬に惨めを晒しても
　柔らかい木肌の裡にこそ
　花の色は柔らかく
　また来る春を待ちながら
　見る人もなく咲き誇る