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や・く・そ・く

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「でもなあ…」

 琴音さんが顔を顰めます。

「今、ふたりとも傘 もってるし。」

「?」

「…それで相合傘するのって 邪道じゃない!?」

 経験から 琴音さんの扱いを学んでいる宏和君。

 無駄な議論をしない事方向で、話を収める事にします。

「じゃあ相合傘するのは…次に雨が降った日で、良いんじゃないかな。」

「へ?!」

「僕か琴ちゃんの傘に、2人で入って帰ろう」

「─ それは、<正しい相合傘>だね。」

 納得したらしい琴音さんは、宏和君の傘に 自分の傘の端を軽くぶつけました。

「じゃあ、や・く・そ・く♫」

作品名:や・く・そ・く 作家名:紀之介