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日常ワンカット

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嫌煙ファシスト編


アフロディーテは煙草が大嫌いである。つるむ同僚はスモーカーが多いのに、煙草が大嫌いである。
あまりの煙草嫌いっぷりに、デスマスクからは『嫌煙ファシスト』といったあだ名までつけられている。
何故そこまで煙草が嫌いなのか。
薔薇の香気を武器の一つにしているため、香りに敏感だというのもあるが、実はそれよりももっと大きな理由があったりする。

まだアフロディーテが二十歳そこそこの頃。彼はデスマスクと共にイギリスにやってきた。
サガが買い物のために渡英したのだが、この二人もお付きとして同行することになったのだった。
さて、ピカデリーサーカスで色々物色している時の話。
シャフツベリー伯記念噴水辺りを歩いていたら、デスマスクの携帯電話がピピピピ音を立てた。
発信先は、シシリーのマフィアのボスだったようで、今度の『ドンパチ』の連絡らしい。
「悪ィ、アフロディーテ。メモ取るから煙草持っててくれ」
と、デスマスクが火をつけたばかりの煙草をアフロディーテに渡し、噴水の石段に腰掛けメモを取り始める。
灰皿に入れればいいのに……とアフロディーテは思ったが、火をつけたばかりの煙草を捨てるのは、少々勿体なくてできなかったのだろう。
「まったく、煙たいものを押し付けてくれたものだ……」
ため息をつきつつ、煙草をつまんでデスマスクを待っていると。
背後からこう声をかけられた。
「How much?」

「……で、それってどういう意味なんだ?」
天蠍宮のリビング。
ミロがアフロディーテにミネラルウォーターのボトルを渡しながら訊ねる。
するとアフロディーテは、整い過ぎた顔に嫌悪感をありありと浮かべると、彼にしては珍しく激しい口調でこう叫んだ。
「男娼と間違えられたのだよ!!」
作品名:日常ワンカット 作家名:あまみ