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吉葉ひろし
吉葉ひろし
novelistID. 32011
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ひろしの詩

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思い出花火


去年の夏にあなたと遊んだ花火の残り
便りの途絶えたあなたを思う

しけた花火に火を点ける
形にならない火花だけれど
とぎれとぎれのあなたを思い出す


浴衣姿が
髪の匂いが
花火のなたに浮かんでいる

線香花火
小さな丸い粒から
小さな火花が飛び散る
花火を持つ手が震えてしまう

火花はあなたの言葉のようだ
震える手はあなたに触れた時のようだ

小さな火薬墜ちないでと願う
貴方のようだから少しでも
このままでいたいと思う

作品名:ひろしの詩 作家名:吉葉ひろし