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暦 ―こよみ―

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「彼、すごいわ。先にお母さんとくっつけちゃうなんて普通考えつかないもの」
「母親と二人暮らしというのを負い目に感じたのかしらね」
「まさか、同居を考えてるとか!」
「それはないんじゃない、今時そんな条件を出したら、まとまるものもまとまらなくなりそうだもの」
「そうよね、私だったらどんなに好きでもそれだけは無理!」
「そうね、私ならキッチンだけは別にしてもらうかな」
「由紀子はどうなの?」
「だから、その前の好きかどうかという問題で止まっているって言ったでしょう」
「そうだったわね。それにしても考えたわね、彼。これで外堀は埋まったわけだから、後は本丸の由紀子を落とすだけよね」
「かなり手ごわい敵で、なんだか彼が気の毒になってきたわ」
「何言ってるの、彼、それを承知で戦いに挑んでいるのよ、きっと」
「そうね、由紀子の清純さに魅せられたのでしょうからね」
「ホント、今時こんな子いないもの、天然記念物ものだわ」
「でも、彼、本気だから大丈夫よ。信じてついていけばきっと道が開けると思うわ」
「そうね由紀子、いい人に出会ったわね」
「そうよ、その彼以外に、由紀子が結ばれる人なんていないと思うわ」
 友人たちの勝手な意見の中に、直樹との将来へつながるヒントはないかと、探す由紀子だった。

作品名:暦 ―こよみ― 作家名:鏡湖