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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「美那子」 疑惑 二話

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「お兄ちゃんだって同じように感じていたんでしょ?急にお母さんが接近してきたことも、これまで単に母親だけだったお母さんが三枝さんとの恋愛で女を感じさせるようになったという事が原因なんじゃないの?お兄ちゃんはお母さんに女を感じたから、怪しいって思ったんでしょ?ちがう」

「本当のことを言うと、母さんにこれまで感じなかった匂いを感じたんだよ。化粧とかじゃなく何というか女の匂いみたいな感じ」

「ええ?抱いたの?」

「本当にバカだなあ~あるわけないだろう。冗談で抱きつかれたことがあってその時に感じたんだよ」

「お兄ちゃんもなかなか鋭いんだね。匂いを感じるだなんて」

「まあな、間違いだと信じたかったけど現実はほぼ間違いないという感じだよ」

「どうするの?明日聞いてみる?」

「母さん不倫しているだろう?ってか」

「そんな聞き方したら否定されて終わりよ。私に考えることがあるから任せて。明日からは旅先なんだし楽しくしたいからこの話題には触れないでおこう」

「そうだな、じゃあ寝るか」

「キスして・・・」

寝ている母親の方を確認して、唇を合わせる。
そして隣同士に寝て手をつないだ。

深夜になって酔いが醒めて美樹は目を覚ました。
自分が何をしたのか全く記憶がない。
隣りに寝ている二人が手を繋いでいる姿を見て、微笑ましさを通り越して、
不安がよぎった。

翌朝何事もなかったかのように三人で朝食を採り、次の目的地へ向かうために用意されたタクシーへ乗り込んだ。
お世話になった宿の女将さんへ別れの挨拶をして、玄関を出ようとしたとき美幸が近寄ってきて、手を振ってくれた。

「美那子ちゃん、名古屋へ帰ったらまた会いましょうね。秀一郎さんもお母さんも気を付けて出かけてください」

ありきたりの挨拶だったので秀一郎は胸をなでおろした。
美那子が笑顔で手を振って、さようならと声を掛けていた。
列車と飛行機を乗り継いで三人は小樽へ向かった。北海道は見る景色も食べるものも全く違う印象を与えてくれた。

たくさんのお土産を千歳空港で買い、帰路に就いた。
自宅へ戻ってきて、父親と旅の話をして、お土産を渡して、美那子は母親に餞別をくれた三枝に会ってお土産を渡したいと伝えた。
美樹は一抹の不安を感じながらも反対する理由は無かったので、私からもよろしくと伝えてと言うに留まった。

お盆休みに入って仕事から解放されていた三枝は妻の勤めるコンビニの前で美那子と待ち合わせをして、近くのファミレスへ入った。
相変わらず娘の美那子は可愛い、そして透き通るような目が印象的だと感じた。

「美那子ちゃん、旅行は楽しかったかい?こんなにお土産貰って嬉しいよ、ありがとう」

「たくさんお金頂いたので返し足りません。大人になって初めて兄や母と旅行して本当によかったです。旅先でお友達も出来ましたし」

美那子は自分が通う学園の大学生美幸との出会いも話した。