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のしろ雅子
のしろ雅子
novelistID. 65457
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22話 あとは野となれ山となれ ー断捨離-

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22話 断捨離

海辺の部屋に移り住むとき大層な思い出を処分した。
 家具やら、洋服、食器…大変な量だった。
「燃えるゴミはここに投げてください」と清掃局の人。
 この燃えるゴミこそ捨てるに捨てられなかった私にとって微妙な思い出が詰まったもので…。
 長年書き溜めたものや、捨てられなかった幼い頃の物や母との事や…夫とのもの…。
 覗き込むと巨大な地下がポッカリと口を開けていた…。
 その巨大な空間に私の思い出が散りばめられてゴミになった。 

 しかし・・バッサリといってしまうと妙にピュアな気持ちになった。
 物で溢れた東京での生活より、シンプルな海辺での生活はストイックな感じで心地良い。物の無い生活は結構気に入ってる。

 究極的にはホテルのあの無機質な部屋、あれが理想だ。
 寝心地の良いベット、座り心地の良い椅子一つ、テーブル一つそれで充分だと思う。
 よっぽど気に入ったものじゃない限り、もう物はふやさない・・そう決めている。