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不老不死ロリの国 第二部分

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「しかしよく見るとこれって、全部ゾウさん人形じゃないか!百体はあるぞ。それも目つきの悪いモノばかりで、不気味だあ!」
「お兄ちゃん、どうかしたの?ゾウさんがコワいとか?ここのゾウさんには、耳鼻逆ゾウとかいないから大丈夫だよ。」
「耳鼻逆ゾウ?どんな化け物だ?スゴく恐ろしいよ。で、でもここにあるものは、いちおう問題ない。あははは。」
笑ってごまかすという最低レベルの策に出た昆太。
「その笑顔なら大丈夫だね。」
箱子は素直に受け入れた。実にいい幼女である。ロリ犯罪者にはうってつけである。
「よ~し。じゃあ、寝ちゃおっと!ジャ~ンプ!」
箱子は灰色ベッドにうつ伏せに飛び込んだ。
「これはベッドなのか?形がヤバいぞ。」
箱子がダイブしたベッドはゾウさんの背中だった。
「気持ちいいなあ。毎日安眠できるのはこのゾウさんベッドのおかげだよ。すりすり。」
箱子はゾウさんベッドを抱くようにして顔をこすり付けている。
「うっ。ロリがマーキングしている。あのゾウの体のニオイを全力で嗅ぎたい!ここは黙って待つのが正解か。」
箱子にお呼ばれするのを待ってたが、呼ばれないのでよくみると箱子はすでに眠っていた。そこは幼女の特質である。
「う~ん。どうするべきか、わからない。こんなこと初めてだし。初めてでなければいけないし、初めてを経験すると法律に抵触するのでやめた方がいい。」
どうするか迷う昆太はついに意思を固めた。
「よし。やはり俺はロリ王となる大きな器。悪を駆逐して大善を選択する!」
ゾウさんベッドの方に動き出した昆太。言うまでもなく、昆太の大善という価値観はロリ攻略である。
「いや待て。大善であっても、やはりロリ王の行動には大義名分が必要だ。例え、目の前にニンジンがぶら下がっていても、号砲を合法的に鳴らすスターターがいなければボクの大脳は筋肉に始動を命令などできない。」
昆太は折り紙付きのヘタレであった。
「お兄ちゃん、来て~。」
「キ、キタ~!!!」
箱子の寝言がトリガーとなり、ついに昆太は胎動した。
一歩、二歩と悠然と進軍する大魔神昆太。
ゴクリとのど越しのよく唾を嚥下すると、それっ!とベッドに飛び込んだ。
「「ソレダメ~!!」」
「いて~!」
昆太はゾウさんベッドの手前でキレイな弧を描いてターンした。
「やっぱり昆太さんは男子でちゅわ。」
「そうぢゃん。パコを狙っていたぢゃん。危険動物ぢゃん。ぶっ殺すぢゃん。男子なら不老不死ではないはずぢゃん。」
吝奈は前に出て昆太に物申しているが、木憂華はやはりその五メートルは後ろに下がり、メガホントークしている。
「待ってくれ!誤解だ。ナニもしていない。まだ。」
床に腰をつけたままで、右手を伸ばして、無罪を主張する昆太。
「『まだ』という未遂は犯罪者。断罪しまちゅわ。」
牙と注射器を構えるふたり。でも所詮ロリ。
「か、かわいい!このまま、ロリにヤラレるのもウレシイかも。」
思考の方向転換が始まった昆太。
「この鋭利な牙を刺して差し上げまちゅわ。」
「この注射器で凶悪で腐りきった血を吸い取ってやるぢゃん。こわいけと、仕方ないぢゃん。びちゃ。」
 注射器に薄く赤い色の液体が溜まってきた。
「またお漏らししてまちゅわ。いい歳して恥ずかしいでちゅわ。プププ。」
「お漏らししてるけど、おし●こじゃないもんぢゃん!」
吝奈、木憂華ともに、両目に帯状の黒い影を落として邪悪な目つきになっている。木憂華は吝奈の腰にロープを付けて引っ張ってもらった。冗長な様子であるが、ふたりに比べればオトナな昆太はじっと待機。
ふたりは牙、注射器という武器を構えて十分に警戒しながら昆太との間合いを詰めていく。
「キューリー夫人博士さん、イチニノサンで行きまちゅわよ。」
「わかったぢゃん。Qは運動神経が鈍いから声を合わせるちゃん。」
「「イチニノサン!」」
ふたりは昆太に飛びかかるが、身長差で圧倒され、頭を掴まれて、バッタのようにジタバタしている。
「かわいい!萌ネ、萌ネ、萌ネ~!」
「悔しいでちゅわ。ワタクチがもっと身長が高ければでちゅわ~。」
「小学千五年生になれば、あんちゃんを抜いてやるぢゃん。」
悔しそうなふたりであるが、幕内力士と序の口レベルの差がある。
「イチニノサンなんて掛け声出したら掴むタイミングが合わせられるよ。見た目幼女は頭脳も幼女だね。かわいくて、萌ネ、萌ネ、萌ネ~!」
「しまったでちゅわ。作戦ミスでちゅわ!」
「なんていうことはなく、作戦通りぢゃん。これで貴様の両手が塞がってるぢゃん。しかも萌えて油断することも計算のうちぢゃん。いまぢゃん!」
吝奈は牙を昆太のお腹に突き刺した。
「キューリー夫人博士さん。この風穴から男子の血を吸いまくるのでちゅわ!」
木憂華はビビって後方待機していた。
「キューリー夫人博士さん。早く血を抜き取るんでちゅわ。今やらないと、逃げられてしまいまちゅわよ。」
「で、でも相手は男子だよ。ナニするかわからないぢゃん。」
「だったら余計に早く処分しないといけまちぇんわ。それにこの男子の血液はスゴくおいしかったのではありまちぇんか?」
「そうだったぢゃん。たしかに、アレはどこにもない味ぢゃん。ほ、ほしいぢゃん。やってやるぢゃん!」
木憂華は注射器を取り出して、針を取り替えた。その針は優に5メートルはあり、昆太に届いた。小さなシリンダーはバケツ大のフラスコに接続されている。
針はズギューンという音を立てながら、昆太から濁った色の赤い血を奪っていく。昆太は貧血状態になり、意識を失ってしまった。
「ようやく静かになりまちたわ。これで、箱子さんの純潔は守られまちたわ。」
意識を失った昆太はうつ伏せに倒れている。
ビビりの対象が力尽きたところで、木憂華はバケツシリンダーを抱えてホクホク顔である。
「これだけあればあんな実験やそんな実験、こんな実験ができるぢゃん。どれだけ酔えるか、未知の酔いが手招きしてるぢゃん。」
「あまり打ち過ぎは体によろしくなくてよ。血の注入は適量にしてくだちゃいな。さあ、クライマックスシリーズでちゅわ。いや不老不死シリーズかちら?どっちでもいいでちゅけど、悪にトドメを刺すのは幼女冥利に尽きませんけど、し、仕方ないから刺して差し上げまちゅから感謝しなちゃい。」
牙を両手で持って、昆太にトドメをさそうとする吝奈。
「モンスター男子の息の根を完全に止めるには、やはり頭でちゅわ。おあつらえ向きに、後ろが狙いやすいポジションにありまちゅわ。」
牙を振り上げて、昆太の後頭部をめがけたその時。
「お母さん。」
「あれ?今のはなんでゅの?」
吝奈は倒れている後頭部を凝視した。木憂華も同じ。
「お母さん。かえるよ。ううう。」
今度はハッキリと聞こえた。
昆太の言葉に固まるふたり。
「この男子は元の世界に帰りたがって泣いてるぢゃん。たったひとり、異次元にジャンプして、行く宛てもなく、かわいそうぢゃん。ううう。」
木憂華の頬に透明な液体が流れている。もらい泣きしたのか、吝奈の頬もぬれて光っている。木憂華が注射器を自分と吝奈に当てて、水滴を流しているのは言うまでもない。
「この男子にはちゃんと元の世界にお母さんがいると思うと、危険な人物ではなさそうでちゅわ。」