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不老不死ロリの国 第一部分

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【プロローグ】
 人類史上、ロリコンは普遍的に排除される。この国で『ロリコンは社会から抹殺する』という憲法が制定されていた。
「一般女子なんて、ゴミクズだ。ロリが最高ですべて。ワンフォーロリ、ロリフォーワン。俺にとって、ロリ以外の女子は女ではない!」
 普通の長さの黒い髪に、緑ぶちのメガネの高校生男子楼李昆太(ろうり こんた)。
 中肉中背で、黒い学ランを身に纏い、自分の高校前で登校する生徒にプラスチック製の安物メガホンで自己主張を重ねている。
「学校のみんな、聞いてくれ。今日、俺はここに宣言する。俺は絶対にロリ王になり、この国をロリだけを愛する男子だけの王国にするんだ!」
こんなバカげた宣言に耳を傾ける生徒などおらず、逆に警察に通報されてしまった。
 けたたましくサイレンを吠えさせてパトカーがやってきて、数人の警官を降ろした。
「楼李昆太、ロリコン抹殺条文により逮捕する。」
「こんな憲法は憲法違反だ。憲法が憲法に違反するというのは論理的におかしいけど。ええい。やめろ~!俺は犯罪なんて犯してないぞ。タイホはイヤだ~。」
 昆太の叫びは、サイレンの音にかき消されていた。
「やかましい。静かにしろ!」
「いやだ!俺はロリ王になる義務があるんだ~!」
 エンジン音のうるさいパトカーが、ドアを開いて今にも出発したいと汚い排気ガスを噴いている。
「ほら、後部座席に乗るんだ。」
 警官が昆太の背中を強く押した。
「やめろ~!!!」
 その時、突然黒い光から昆太から発せられた。
『ズキュ~ン!!!』
 昆太は絶叫と共に忽然と姿がなくなっていた。
 今日は3月1日で、春というにはまだ早く肌寒い季節である。

【第一章】
『ピーヒョロロ~。』
 トンビらしき鳥のたった一羽の鳴き声が鳴り響く。他には何も聞こえない、のどかな野山が広がる光景。
そんな鄙びた村で、小さな黄色い花を見てしゃがみこむかなり小柄な少女。薄茶色のショートカットで、同色調のヒョウ柄ワンピースを着ている。スカート部分はかなり短く、わずかに浅黒く健康的な絶対領域が剥き出しになっている。鳶色のまん丸な瞳とふんわりとして鼻と唇が野性的である。
少女の腰には、茶色の袋に入れられたナタが紐で括り付けられている。揺れ具合が相応の重量感を示している。
「あ~あ。ヒマだなあ。人生活性化のためにお兄ちゃん、ほしいなあ!」
いきなり変なお願いを祈るヒョウ柄少女。
「でも、お兄ちゃんって、男の子らしいんだよね。男の子って、いったいどんな動物なんだろう。お兄ちゃんっていう言葉しか知らないんだよね。男の子って、化け物ってウワサも聞いたことあるし。男の子って、ゾウが進化した形態とかいう話もあるし、よくわかんないや。お兄ちゃんが魔法と関係があるとかいう話を先生がしていたしなあ。あたしには魔法が使えないし、よくわからないけど。」
少女が見つめている花の向こうに、金色と赤色が見える。
「向こうにも花が咲いているのかな。ミニチュアなお兄ちゃんが中に隠れているかもしれないよね。」
 立ち上がって奇妙フレーズを連続させながら、向こうの花の方に近寄る少女。
 そこには二本の花がたしかに咲いていた。
「こんな色の花、見たことないなあ。きれいだな。よし、ミニチュアお兄ちゃんを探し出すぞ。」
 腰を落として左右にある二本の花を見つめている女子。
『ジーッ』『じーっ』
「あれ?なんだか、すごく強い視線を感じるよ。それもあたしの下半身に。」
 短いスカートはしゃがみ込んでしまえば、その下に隠されていた布地は哀れにも露出するしかない。
「あわわわ!」
 思わずスカートの裾を掴んで伸ばそうとするが、伸縮不自在の素材は強力に抵抗する。結果、露出継続となった女子の可憐な下半身を覆う脆弱な繊維集団。
「こ、こわいよ。それに両方とも花の下から?」
『ビロ~ン』『びろ~ん』
「あれ?地中から何かが伸びたような感じがするよ?」
 白くまっすぐ通った筋と小さな団子が、ニョキニョキと生えてきた。
「キャー!ノゾキ~!鼻の下、伸びきってる!キモイよ~!」
『クン、クン』
 悲鳴を上げた女子を見て、地中から出てきたひとつの鼻が鳴って言葉のように聞こえた。
「吝奈ちゃん!いったいどこから出てくるんだよ。びっくりしたじゃない!大神田家(おおかんだけ)のお嬢様がこんなところに潜るなんてみっともないよ。」
 金色の花の下から、土にまみれた金色のロングヘアが現れた。髪と同じ色のドレスから土をパンパンと払っている。やや細目の黒い瞳と小さな唇が上品さを示している。しかし、耳は毛で覆われている。けもの耳である。加えて、口の中にキラリと光る純白の大きな牙が印象的である。
「箱子(ぱこ)さん。もうこれからっていう時に、これでおしまいでちゅの?つまらないでちゅわ。べ、別にもっとやってほしいっていうことではありまちぇんけど。」
 視線を逸らしながら語る金色ロングヘア。
「何言ってるんだよ。またこんなイタズラして、あたしはカンカンなんだけど。」
 箱子は吝奈の前に仁王立ちした。
「チャンス到来でちゅわ!クン、クン、薫~!いい薫り~!」
 吝奈は、箱子のヒョウ柄スカートの中に頭を突っ込んで、匂いを嗅いでいる。
「いやああ~!」
『萌へ、萌へ、萌へ~!』
 吝奈はヒョウ柄スカートの中で、悶えていた。
「もう吝奈ちゃん、やめてよ!」
『プスリ』
「痛い!」
 箱子の腕に注射器が刺さり、すぐにピストンが引かれて、シリンダーは赤い色で満たされた。
「これはいい色じゃん。あさイチの取れたて新鮮血液ぢゃん。これはソッコーで、注入するぢゃん。プスリ。う~ん、テイスティー~。」
 赤い花の根元から、土埃を舞い散らせながら出現した白衣の少女。髪は深紅のツインテール、大きな丸い瞳は赤く輝いており、小さな丸顔によく似合っている。口元から純白の尖った歯が見える。それに背中には黒く曲がって、かつ尖った羽根が生えている。
 ツインテの少女は、自分のほぺったに針を刺して、その部分が赤くマウントしている。
「キューリー夫人博士!朝っぱらからこんなところで血液検査してるヒマがあったら、学校で勉強しなよ!」
「その名前で呼ぶなぢゃん!。だいいち、Qは独身小学千年生であって、夫人じゃないし。Qには茎宮木憂華(くきみやきゅうか)っている名前があるぢゃん。パコだって、山場箱子(やまば ぱこ)って言う名前じゃないかぢゃん。今日のパコの血はなかなかおいしかったぢゃん。睡眠がよく取れていた証拠ぢゃん。う。だんだん、パコの血が体に沁みてきた。酔いが回ってきたぢゃん。うい~、ひっく。」
 よく見ると、吝奈も木憂華も、口元から透明かつ濃厚で粘り気のある体液を、絶賛お漏らし中である。
「もう、吝奈ちゃんもキューリー夫人博士も、いつもニオイ・血液セクハラひどいよ。油断もスキもないよ。」
「べ、別にセクハラがしたいわけではありまちぇんわ。目的はセクハラの向こうにあるんちゅから。欲しいのはニオイだけでちゅわ。ニオイは嗅ぎたいわけではありまちぇんわ。でもどうしてもって言うなら、鼻を傾けてあげまちゅわ。」