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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「美那子」 接点 三話

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「どちらにしても子供は中絶するわけだから、お金さえあれば解決するという事になるんじゃないの?」

「友達は中絶してからその相手の彼とはどうするつもりなの?引き続き何もなかったように交際するのかしら」

「わからないけど、周りはやめるように言う人が多いけどね。きっと心の傷が大きくてうまくゆかないって話している」

「そうね、しばらくは一人で考えることが大切よね。美那子のやろうとしていることは人助けって感じているのかも知れないけど、未成年だし親に相談することが一番の解決方法だとお母さんは思うよ」

「とにかく始めたからバイトはやめないよ。今月いっぱいは続ける」

「今月いっぱいってそんな約束で採用してもらったの?」

「そうじゃないけど、十分お金貰えるから辞めるっていう事」

「何だかその考え方もお母さんは納得できないよ。仕事はみんなの協力でやれるんだから、自分勝手な思いで働くことは他の人に迷惑が掛かるって考えられない?」

「働くなって言ったり、働けって言ったり、変じゃないの?」

「美那子は大人だと思っていたけど、まだまだ子供ね。社会的な責任というものが仕事をする上では大切になる。仕事のパートナーとして頼られる存在になることは嬉しいこと。逆に頼られないことは悲しい。そういう面を学び取って欲しいと思うわ。今日はもうこれまでにするけど、もし予定より長くバイトを続けるなら必ず話して頂戴ね。それと、お友達にはもう一度親に話す勇気を持つように頼んでね」

美那子は母親が言うことはもっともだと感じた。
今日の話を明日兄に話して自分がどうすればいいのか決めようと思った。
美樹は夫に内緒には出来ないと考えていた。それは、美那子にお父さんから聞いたんだけどという手前があるからだ。

夜になって返ってきた彰に今日のことを話した。

「美那子のやつそんなことやっているのか、アルバイトはいけないとは思わないけど、中絶資金のためというのはいただけないなあ~」

「そうね、相手の親と自分の親に話すべきね。一時は険悪な関係になるかも知れないけど、長い目で見たら良かったって思える日が来ると考えるわ」

「秀一郎にちゃんと美那子に話すようにお前から頼めよ。俺が言うと言葉足らずになりそうだから、そうしてくれ」

美樹は美那子が一番慕っている秀一郎から諭されるのがいい方法だと、たまには夫もいいことを言うと感心した。