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舞いたけたけ
舞いたけたけ
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ガチクズニートで異(ブラック)世界転生

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「…誰と喋っている!貴様の敵は俺だ!」

女の声を聞き、走っていった方向に居たのは見たこともないような程、奇妙で体中に剣の刺さった見てるだけでも痛々しいモンスターであった。

「お前………種族的に人間じゃないだろ………う!?ぐぁあああ!いだい!いだい!いだい!」

モンスターの腕から真っ直ぐ伸びた剣は確実にケイヤの腹を突き刺し、モンスターの足元から伸びた剣は確実にケイヤの脳を貫いた。

「…なんだこいつ…………よわ。女は………」

とんでもなく太っており、見たこともない程の不細工な女がかなきり声を発する。

「この女の悲鳴の方がまだ強いな。さて小刻みにして食うか」

モンスターは女を八つ裂きにし、体中から伸びた剣をフォークのように使い女を食い殺した。

「あー…一匹食ったらもう満足しちまった。おーい。そこの良くわかんない奴。今回は助かったなぁ!」

こう言い捨てモンスターは笑いながら去っていった。

ケイヤの体から血が止まらない。

「おい、悪魔……お前の力っていったいなんだよ………何故、あの女が生きて俺が死ぬってどうなってんだ…」

「ギヒッギヒッ救いたかったかぁ!あの女!ギヒッギヒッ!よっぽど優しいんだなぁ!見込み違いだが、お前は大好きだ!ギヒッギヒッ」

「当たり前だろ…俺の異世界初めての一歩だぞ…主人公は人救うもんなんだよ」

「あの…私なんか助けて頂いてありがとうございました。」

不細工女がお礼を告げた。

あの瞬間、脳を突き刺さされた瞬間のことである。ケイヤの体の中で何かが起きた。確かにケイヤは自分の意識は消えたことを意識している。体が冷たくなり、意識が消えたことを「体が覚えているのだ」。

「ギヒッギヒッ。あとはあいつに多少の満足感を与えてやった。女を切った感触と、女を食った感触と、良いか、覚えておけ、この世界の悪魔は「他人を満足させるのに特化している」。ゲヘヘヘヘ」

「…………じゃあ、俺が死んだ感覚を覚えているのは?いや、確実に激痛が走ったのは?まさか、俺が痛みで満足してるとでも?」

「ギヒッギヒッ!それは知らんなぁ!ゲヘヘヘヘ!」

「…………きみわりぃな……………」

「え?」

不細工女が続ける。

「お前も気持ち悪いから早くどっか行けよ。俺らに食われたいかよ」

「さいってい!」

女は怒ってその場を去った。

「救ってやったのはこっちだぞ!aVにすら出れなさそうな体型しやがって。ケッ」

(………ギヒッ…………こいつは悪魔になる素質がある。だが、どこかおかしい………?ギヒッギヒッこの人間味の残りカス………ギヒッギヒッ……壊しがいがある。しかし、さっきの女は、俺が見せてやった幻想だぞ…気づかないかゲヘッ可哀想な奴ゲヘヘヘヘ。まぁ、何回でも死ぬがいいさ。ギヒヒヒヒ)

「まぁ、お前の能力の詳細知らねぇし、ぶっちゃけもうどうでもいいし…これからどうすっかな…」

再びケイヤの目が死ぬ。

「あ、そうだ…とりあえずなんか、それっぽい町でも見つけるか…………おい、悪魔、取り敢えず、俺になにか食った気にさせろよ。腹減った。あと、女とヤッた感覚もお前なら余裕だろ?満足させろよな」

ケイヤの頭はこうゆうときばかり回転が早い。とてつもなく、本能的であり、情緒的な考えである。

「ゲヘヘヘヘ。さっきので力を使い果たした。ゲヘヘヘヘ。悪魔だってエネルギーくらい消耗するギヒッ覚えておくことだギヒヒヒヒ」

「ご都合主義かよ。くそが」

こう言うとケイヤは全ての力を使い果たしたと言わんばかりに地面の上に倒れた。

エピソード6 異世界トイレ漂流記

倒れてからどれくらい経っただろう。誰にも助けて貰えていない。だが、今のケイヤからすれば、モンスターとか、良くわかんない奴等に襲われるよりはましだった。そして………

「お腹が痛い…こいつは…刺された痛みとは違うなにか……」

ケイヤのお腹がゴロゴロとなる。

「腹が痛い…ト、トイレ…」

しかし、辺りを見渡しても一面森であり、トイレ等到底ありそうにもない。

「水洗じゃねぇと無理…マジで………誰か………」

お腹に稲妻が走るような痛みが走る。

「まずいまずいまずい!助け…………」

一歩踏み出す度にお腹の痛みが増してゆく。不思議なことにケイヤの目から涙が溢れだす。

「お腹痛い…いてえよ…漏らしたくねぇよ…誰も見てないよな…なにでケツ拭きゃ良いんだよ…歩けねぇよ…」

取り敢えず、お尻を出す。道端に出すしかなかった。草木で軽くケツを拭いた時、初めてとんでもない程の惨めさが脳裏を過った。

「……………慣れてるさ…そうだ今さらなんだ…良く考えれば…これは異世界に来たからどうこうなんて問題じゃない…………異世界に来てもここはただの現実の延長に過ぎなくて、俺はただの人間で惨めなもんなんだ。」

ケイヤは一人呟いた。そして、途方も無い道を死んだ目をしながら歩き始めた。

「町を見つけよう。情報不足が一番恐い。」

一人呟いた。

第7話 あ、町だ。

どれくらい歩いただろうか。

「歩いても歩いても森かよ。ケッ…」

「人間だ。ギヒッ。腐った連中の…クズの匂い…人間だ!」

ケイヤの中で悪魔が突然言った。

「…お前の話を信用するワケじゃないが…」

次の瞬間だった。ケイヤの目が急に霞み始める。

「なん…だ…」

朦朧とした意識の中声が聞こえる。

「脱獄野郎のクズ野郎が…」

「また、クズクズ…うるせぇなぁマジで………」

この一言を言い残しケイヤはその場に倒れた。

「ここは…」

狭い牢屋のような場所でケイヤは目を覚ました。

「牢屋かなにか…か?いや、移動してんな…」

手と足が鎖のようなもので縛らている。

「smプレイの撮影かなにかかよ。」

目の前には何かに怯えるように震えている老人がいる。

「じいさん、ここはいったい…」

「りたくない…戻りたくない…ワシはもう…イヤじゃ…やめてくれ…やめてくれ…」

老人はぶつぶつと同じような言葉を繰り返している。

「なんなんだよ…」

次の瞬間、急に移動が止まった。

「おら!降りろ!」

急に後ろの扉のようなものが開き、野太い声が響く。

「…いや、足縛られてんだけど。」

すると、甲冑に身を潜めた巨体の大男がケイヤの体を片手で持ち上げ無理やり外にぶん投げた。

「いってぇなぁ…はぁーあ…………あ、町だ。」

ケイヤの眼前に広がる西洋風の建物。道に整然と敷かれたレンガ。丸い噴水広場。ここで、少しケイヤはニヤついてしまった。

どう考えてもありきたり過ぎんだろ…

「おい。口を慎め。殺されたいか」

死んだ方がましだと思いながらもケイヤは口を閉じた。

第8話 クズで奴隷で死んだ目で

人が嫌いだ。めんどくさいし、弱い奴には容赦しないし、クズという言葉しか吐かない。

「おらぁっ!働けクズ共!」

目の前の奴も同じ。

「ハァ」

ケイヤは誰にも聞こえない程度のため息を付いた。

街に連れて行かれたあのあと、ケイヤは2日程、監獄のような場所に連れて行かれ監禁と拷問を受けた。しかし、ケイヤはその間、ひたすら死んだ目をしていただけであった。