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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「熟女アンドロイドの恋」 最終話

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「絶対に人に話すなと前置きされました。助かった女の子は空自の航空幕僚長がわざわざ遺族の自宅へ足を運んで口止めをしたこと、その際女の子を助けた内藤さまのお父様に見なかったことにして欲しいと交渉したが断られたことで、政府は事が露見するだろうことを米軍に申し伝えたんだ、と言いました。その後一切表に女の子のことが出なかったのでどうしたのかと考えていたら、正式に幕僚長からこの問題は解決したので今後は話すことを控えるようにとの指示が出たと話してくれました」

「う~ん、上官は幕僚長の言葉を信じたという事になりますね。あなたにお話しされたという事は何か引っかかることがあったのだと推測されますね」

「そうだと思います。平成に入ったころすっかり世間では忘れられてゆく事故になっていましたからね。昭和天皇が亡くなられて、新しい年号になってバブル景気がやって来たのですっかりと陰に隠れてしまいました。聞かされた私は何故内藤さまのお父様が暴露されなかったのか不思議に感じていました。ひょっとして大金を積まれて屈したのかと一瞬思いましたが、そういう雰囲気も感じられなかったので知り合いのジャーナリストに尋ねると、内藤さまとは最近会っていない、話も聞かないから引退したのだろうと聞かされたんです」

「あなたがそこまで考えておられたことと、今日会って戴いたことにとても感謝しています。私の父親は誰かに拉致されたか、命を絶たれたかどちらかだと思っています。国会で証言したかったことの最大の理由は父の消息を知りたかったからです。お話を聞かせて頂いて、父は米軍関係者に連れ去られたと確信しました。利害関係から判断して隠匿したかったのは空自ではなく米軍だったと思うからです」

「内藤さま、相手は巨大です。これ以上深入りすることは身の危険が伴います。くれぐれもご注意なさってください。真実が判ることを期待していますが、これだけ騒がれていても新しい事実が出てこなければ事態は動かなくなり、世間も冷めてゆきます。何かお考えがおありですか?私が聞くのもご迷惑でしょうが、これもご縁だと感じていますので気になります」

「重ねてありがとうございます。在日米軍にも当時を知る関係者はいませんし、アメリカ本国でも調べようがない状況だと思います。根気よく世間に訴えて父親の情報が寄せられることを期待するしかないと思っています」

「そうですか。お手伝いできることがあれば何なりと話してください。これでも鍛えた体ですのでまだまだ動けますから」

「本当にありがとうございます。その時がくればお願いするかも知れません。連絡先だけ教えてください」

内藤の要請に元自衛官は名前と連絡先をメモに書いて渡した。