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てっしゅう
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「熟女アンドロイドの恋」 第三十二話

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官房長官は自分ではこれ以上問答しても先へ進まないと判断した。
これまでのやり取りを聞かされて総理は状況が極めて不利であることを悟った。
法務大臣と協議して、裁判所へ特別措置をとるように提案して承認を得た。
テレビ中継と外に待機していた記者たちが議事堂内に入り、野党側が申し立てた証人喚問が始まった。

最初に質問に立ったのは産業博覧会で内藤の意志を持ったアンドロイドAD-MNに質問をしたジェームス記者から詳細な報告を受けていた最大野党の党首だ。

「わたくしが入手した資料から、85年に起きた航空機墜落事故の原因が、言われているような整備不良による圧力隔壁破損ではなく、在日米軍の訓練用ミサイルが垂直尾翼に命中してそのことで隔壁が破損して操縦を失い墜落に至ったと書かれています。この件に関して総理の理解はいかがでしょうか?」

「防衛庁の方から受け取った資料によりますと、偶然に厚木基地周辺での米軍との合同演習中に自衛隊機F-14が訓練用ミサイルを誤射して近くを飛行中の民間機に接触したという事であります」

「総理!接触という言い方はおかしいですぞ。命中でしょう?違いますか」

「民間機に向けて撃ったのではなく、誤作動で発射された訓練用ミサイルがたまたま傍を飛行中の民間機の垂直尾翼に触れたという事であります」

「たまたま触れた?触れた程度で墜落するのですか?」

「墜落の原因は報告通りに圧力隔壁の整備不良という事でございます」

会場内がざわめく。

「内藤さんにお答えいただいた後でもその見解は変わりませんか?」

「はい、変わりません。いや変わらないと思います」

議長が内藤に質問に答えられるかどうかを尋ねた。挙手をしてマイクの前に立つ。

「皆様、内藤肇と言います。職業は科学者です。今のご質問にお答えする前にお知らせしておかないといけないことがありますので、お許しいただけますか?」

与党側としては断れる雰囲気ではなかった。