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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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風鳴り坂の怪 探偵奇談15

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「静かに」

伊吹の言葉で、再び静かになる。

「複数で帰るように、二年は一年に声かけてやれ。あと朝霧町付近に住んでるやつで、どうしても一人で帰らなきゃならんやつがいたら言ってくれ。今日はこれで解散。各自すみやかに下校するように」

部員らが着替えに散っていく。瑞は伊吹のそばに寄り、詳しく話を聞いた。

「先輩、オバケだって噂があるみたいです」
「らしいな。結構奇怪な被害も出てるから」

俺らも早く帰ろう、と伊吹に促されたとき。

「わっ!?」
「キャー!」

ドーン!と身体が振動するほどの轟音が響き渡り、悲鳴があがった。一瞬の出来事だ。それはすぐに収まった。

「やだ地震?」
「雷じゃねえ?」

周囲がざわめいているが、特に被害もない様だった。

「びびった…何だ今の」

伊吹が茫然と言うのを聴きながら、瑞はこの覚えのある感覚に身体を震わせた。

「…先輩と消えたときと同じ感覚。いまの絶対天狗だ…」
「は?」

そう。いつかもこうして、全身が総毛だつような感覚を感じたことがある。あれは天狗に呼ばれ、伊吹とともに異界をさ迷い歩いた時だ。

颯馬なら、いまの合図が何を意味するのか何か知っているかもしれない。

「颯馬のとこ、行ってきます」
「一人で帰せない。俺も行く」




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