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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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風鳴り坂の怪 探偵奇談15

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…ふ り か え っ て ご ら ん よ ォ

ケケケ、と声が笑う。少女は、振り返ることなどできない。
だって、声が、おかしなところから聞こえるのだ。背後。ずいぶん、低い位置。自分の踵(かかと)の辺りから…。おかしい、おかしいのだ。まるで地面から聞こえているようではないか。

…ふ り か え っ て ご ら ん よ ォ

じっとりと笑いを含んだ、声。振り返れない。だってそこにいるのは、きっと、人間じゃない。

…お そ ろ し い ね え

怖い、怖い。手足が震えて言うことをきかない。それなのに、その「声」が言うように、首が振り返ろうと動くのだ。
好奇心、ではない。本能的な防衛心から。自分を襲っているこの恐怖の正体を見なければという。

おおおおおおおおお
おおおおおおおおおおおおお

風が鳴く音は、まるで獣の咆哮だ。足元を吹き抜ける、その重さを含んだ気持ちの悪い風のぬるさは、足を巻き取られるような錯覚を覚えさせる。

「!?」

少女は、自分に語り掛けるその声の正体を見ることはなく悲鳴をあげた。耳の横で、甲高い風の音がよぎったかと思うと、首の後ろをどろりとしたもので撫で上げられたのだ。生ぬるいその感触に恐怖は頂点に達して、少女はもつれる足で坂を駆けのぼる。のぼった先の道路で大泣きしているところを、通りかかったタクシーの運転手に助けられた。

怪我はなかった。しかし彼女の長い髪は、肩の上あたりまでばっさりを切り落とされていたのだった。






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