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内藤からメールで連絡を受けた85年航空機墜落事故遺族会の代表平山はその足で銀座の魔王へ行き、予め梓から連絡を受けていたママが手はずを整えてマスコミ関係の重要人物とアメリカ大使館のレイチェルを平山に引き合わせた。
席上で内藤から聞かされている計画を話した。

産業博覧会の会場で次世代の人型ロボットの発表を行うので、プレスに各新聞社とテレビ局を集合させて欲しいとの依頼があった。
その人型ロボットは人工頭脳を持つアンドロイドであるという事も事前に知らせる。
アメリカが世界に売り出す働けるロボットとして注目を浴びるだろうこともいくつかのテレビ局で予告放映もされる。

そのためか会場内でのアメリカブースには公開日に長い行列が出来ていた。
プレス広場のひときわ高い段上にストリーツカが現れた。
すごい拍手だ。

生放送で全国に流れている。内藤は意識して日曜日の昼の時間に行うように指示していた。
もちろんストリーツカは単純にアンドロイドの発表会だと信じて疑わなかった。
一通りの説明と完成までの映像を流して登場するアンドロイドへの期待感を高めている。そしていよいよ登場だ。

「お待たせしました。では、わたくし共の最高傑作であるアンドロイドの登場です！
男性型AD-MN、女性型AD-WAです」

舞台に登場した男性型アンドロイドは普通のスーツを着ていた。そして革靴。
女性型アンドロイドはロングドレスと赤のハイヒール。
会場ではお～と言う歓声と混じって、ええ～信じられないという悲鳴のような声も聞かれた。

「皆様ご静粛に・・・ではアンドロイドが自己紹介をしますのでお聞きください」

AD-MNが礼をして話す。

「日本のみなさま初めまして。私はある日本人の男性の意識を記憶プレートに移してこうしてお話が出来るようになっています。身体は機械ですが皆様とのお話は人間と全く変わりません。もしお疑いであれば何でもご質問をお受けします」

拍手が巻き起こる。そして、もう一台が礼をして挨拶をする。

「皆様初めまして。私は日本人の女性の意識を移してお話が出来るようになっています。隣に居る男性の意識はわたくしの夫です」

この挨拶にさらに歓声が上がる。
記者の質問に答える。

「インターネットでアメリカに居る本人と称する人物と繋がっているのではないですか？」

ストリーツカが答える。