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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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LOVE BRAVE外伝Ⅲ

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始まり


― ある日のこと。トロント市内某所でLOVE BRAVEが全員集合していると、時空のひずみが発生した。
「えっ?何だ何だ」
 ヴォーカルのフィルがそう言った直後、4人とも別空間に飛ばされた ―
「「「「うわあぁ〜」」」」


 LOVE BRAVEが着地すると、彼らの目の前には一つの大きなトンネルがあった。その上面には、アルファベットではっきり「FATAIA」と書かれてある。
「ファタイア……だって」
 ベースのジミーが言うと、ギターのスティーブンが大きめの声で言った。
「ファタイア…。俺、それ絵本で読んだことあります!妖精の国ですよ!」
 それを聞いた一同は、びっくり仰天。
「妖精の国が、本当にあるのか……」
 ギターのヒューゴがそう言い終わらないうちに、フィルは
「妖精の国か。面白そうだね。よし、行ってみよう!」
 という言葉とともに、トンネルの中に入った。ほかのメンバーも、リーダーの後を追った。


 妖精の国「ファタイア」へのトンネル内の壁には、壁画のようなものが描かれていた。
「これ、何が描かれてんだ?」
 意外なことに、ジミーの質問に答えたのはヒューゴだった。
「多分……その国の妖精にまつわる伝説じゃないか?」
「珍しいね、ヒューゴがファンタジックなことを言い出すなんて」
 意外な一面を知って驚くフィルに、ヒューゴは答えた。
「昔、フィオナに読んでやった絵本に、この手のエピソードがあった」
「俺、妖精に会ってみたいです」
 スティーブンがうきうきしながら発言した。


 トンネルを通り抜けたLOVE BRAVEに、驚くべき異変が起こっていた。最初にそれに気付いたのはフィルだった。何と、来ている服もろとも彼の体が子どもになっていたのである。
「あれ?僕、ちっちゃくなった…!?」
 その声も、彼が声変わりする前のものだったのだ。声変わりする前の声で、ジミーが言った。
「何だこりゃ。どうなってるんだ?自分たちみんな、子どもになってる」
作品名:LOVE BRAVE外伝Ⅲ 作家名:藍城 舞美