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ガラス

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電車のガラスに写る自分と目が会い咄嗟に目を逸らす。自分には何も無いんだと強く訴えかけてくる。窓の外の晴れた車窓とは正反対の自分に気づく。まるで世界から切り離されたような。自分が一人なんだと。
鳩尾の上からヘドロが出てくるのだ。濁っていて底は見えず、蛇口の締め方も分からない。ただ自分を飲み込む。息継ぎなんて出来ない、ただ息を潜め水位が下がるのを待つ。もう一人の自分が隣で非難する。何故普通のことができないんだと、自分に甘いだけなんだと。唯一残されたのは逃げること。だけど死ぬ勇気もなく時間が過ぎるだけ。自分が居なくても世界は変わらず何も問題ないのだ、人並みに生きることも出来ず、死ぬ事も出来ず、毎日世界という鞭に打たれ続ける。ふと部屋の天井を見上げてつくづく自分は人間に向いてないんだなぁと感じこの生地獄に耐えるのだ。
作品名:ガラス 作家名:奏月