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逆行物語 第六部~ユストクス~

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清き水の流れ



 洗礼式。ヴィルフリート様はそこで正式に神殿長になる事が決まった。これより次期アウブは神殿長、領主候補生は神官長以下青色を纏う事とする、とのアウブのお言葉に、愕然としてざわめきに包まれる。
 そして神殿に向かう為の護衛騎士として、ブリギッテとダームエルが抜擢された。予め打診されており、2人は騒ぐ事なく、膝を付く。
 神殿に足を運ぶ等、誰もが忌避する。故に実家の為、断らないであろうブリギッテと、実家の身食い契約の対称とローゼマイン様がご友人である事を理由に白羽の矢を立てられたダームエル。
 神殿専用の護衛と言う事もあり、やっかみも、妙なすり寄りも少なそうではある。特に下級のダームエルにとっては、かなりの問題だろう。減少するなら何よりである。
 
 さて、ローゼマイン様が洗礼式を終えれば、印刷産業が本格的に始まる。その為に重要なのは資金集めだ。フロレンツィア様やエルヴィーラ様が動かれる様だ。因みに夏までにリンシャンを知らしめる事で、印刷産業にも興味を持って貰いたいと考えている。
「処で男性用のリンシャンには興味を持って頂けるでしょうか?」
 リンシャンには女性用、男性用と別れているのだが、正直、私もそうだが男は自身の髪の艶には興味はない。勿論、それでも使用する様にはしているが(因みに女装時は女性用リンシャンを使う未来が来ると思っている)、ともあれ、そこまで注目はされていないようだ。案の定だ。
「ふむ、ならば宣伝用の曲でも作って、それをお茶会で演奏してはどうだろう?」
 そう言い出したヴィルフリート様の意見に、ローゼマイン様は賛成された。

 作られた歌は多くの男性を泣かせ、その家族の女性を笑わせた。紳士淑女が台無しになる程に。そしてフェアベルッケンの加護の中、爆発が起こっていた。…良かったな、エックハルト。

 リンシャンの儲けだけでは足りない、寄付を貰っても足りないとローゼマイン様がフェルディナンド様のフェシュピールコンサートを求めた。
「……仕方あるまい。」
 何故か深い深い溜め息を幾つも吐いておられた。
 尚、印刷の宣伝にと作られたポスターとやらは、フェルディナンド様個人が30部、フェルディナンド様とジルヴェスター様のツーショット(口吻寸前、ローゼマイン様曰く、“仕事がイヤで仮病を使うお父様とそれを見抜きながら、診察と言う名の説教をしているフェルディナンド様”らしいが)が30部、ヴィルフリート様が描かれた、デフォルメと言う新しい画法の絵物語(アウブに懸想しているフェルディナンド様が、ラッフェルを諦める為に入った神殿にて、その気持ちごと包み込んだローゼマイン様に絆される、と、取れる内容、ヴィルフリート様曰く、“父上の悪評を防ぐ為です”らしい)が10部だったのだが、お菓子や楽譜100部(コンサートで弾いた曲)と共に完売し、後に事情を知ったアウブが崩れ落ちる事になる。
 
 ローゼマイン様が洗礼式を迎えられると、一気に全てが動き出された。ハッセの町に小神殿が作られたり、ブリギッテの実家やエルヴィーラ様のご実家が、印刷産業を担う事になり、同時に樹木の育ちを速める為の魔術具開発が進められた。
 勿論、神殿業務もあるその中で、ユレーヴェの素材採集と言う名の、魔術具作成をも含めた素材爆集をフェルディナンド様、ローゼマイン様、そしてヴィルフリート様中心で行われている。
 かと思えば、ローゼマイン様はアンゲリカの世話をして、フェルディナンド様のお声で話す魔剣を作ったり、ブリギッテの為にドレスを作ったり…。
 ヴィルフリート様はと言えば、派閥融和の一番の障壁に立ち向かわれていた。

 即ち、ギーベ・ライゼガングだ。