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逆行物語 真三部~フェルネスティーネ~

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人格破綻者の思い出とその後



 …フェルディナンドもねえ、マインに会うまではまだ依存が酷いだけで、頭のネジは閉まっていたから、教育は出来たんでしょう。
 やだ、麗乃ってサゲマンでもあったのねぇ…。
「あら、ローゼマイン、奇遇ね。」
「姫様、ローゼマイン、閲覧室に案内した。」
「姫様、ソランジュのお手伝いした。」
「「姫様、褒めて。」」
「はい、良く出来ました。シュバルツ、ヴァイス。」
 呑気な子。こんなに不快感を煽るなんて、全然気付きもしてないわね。う~ん、そう言えば麗乃の母親が言ってたわね。
 アンタ、社会じゃ通用しないよって。司書辞めなきゃならなかったらどうするのって。ニートは勘弁してよって。
 社会に出ていたら、少しはマシだったのかしら。

 「ヴィルフリートは優しいのね。ローゼマイン、折角だから背負って貰ったら? 虚弱な貴方が1人歩いたら、熱を出すかも知れないわ。」
 まあ社会不適合者でも、貴族失格でもヴィルフリートには引き取って貰わなきゃ困るのよね、ゴメンナサイ。周囲が入る余地が無いと思わせたいから、精々イチャイチャしてね。
 ああ、そうそう。貴方の魔力や属性も増やさなきゃね。神は眷属にしない限り、人の魔力を増やせないのは、加減が解らず、人体に負担を掛けてしまうから。方法は確立されている。人よりの半神なら、上手く出来るわ。
 質問されても面倒くさいから、祝福後は無視してよーっと。それにグルトリスハイトとシュタープの取得を合わせる積もりだったし、丁度良いわね。

 ………………。

 その後、エアヴェルミーン様に魔力貸して、色々言って貰ったのよね~。お陰で既婚者を離縁させて、王配にするなんて、前代未聞な略奪婚が成立した。
 争う心を育みましょうと言ってるもんだけど、誰も矛盾点は付かない。度胸が無いのよねぇ。まあ、それをやったら只のバカだけど。
 フェルディナンドもまだまともで良かったわ~。ジルヴェスターの為に神を敵に回せなくても当たり前、それは裏切りじゃないわよ?

 寝台でジルヴェスターはバイシュマハートの祝福を流し込まれ過ぎて、すっかりゲドゥルリーヒ側の快楽を追う様になってしまっている。私に拘束されて、涙目だ。…本当に可愛い。
 …ふふっ、だってしょうがないでしょ? 貴方は私を抱こうとしたら、吐くでしょうが。ブリュンヒルデにもそうだったの知ってるのよ、私。
 だから受け身でいらっしゃいな。私が女みたいな喘がしてあげる。メスに堕としてあげる。大丈夫、出すモノさえあれば、妊娠は容易いわ。
 私よりは弱いけど、貴方の魔力はちゃんと私に釣り合う様にしてあげてるから、問題無いわ。

 ああ…、そうそう。麗乃を招待しないとね。

 ……………………………………。

 何年か経って、偽者は消滅。ヴィルフリートがアウブになって――――、 
 あら、夢中に成り過ぎたわね。波長を合わせ過ぎてるわ。やだ、麗乃は気付いてないけど、接触可能になっ………………………。

続く