二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

逆行物語 裏四部~ヴェローニカ~

INDEX|7ページ/8ページ|

次のページ前のページ
 

カーオサイファの死



 ジルヴェスターの過去をフロレンツィアに話すと、一瞬で真っ青になりました。そして徐にジルヴェスターが冬に対して、余りに臆病であった事を打ち明けられました。
 恐らく…、冬そのものが嫌いになっていたのかも知れません。そして嫌悪が羞恥に変換されていたのでしょうか。
 その他、様々な話をしました。私の過去も、これからのヴィルフリートの事も。
 フロレンツィアと私が、こうも真っ直ぐに語り合う等、初めてでございますが、これは必要な事でした。
 この先は私達は共通の敵と対応するのですから。手を取り合う為、その手を差し出したのです。
「フェルディナンドとジルヴェスターの行方ですが、考えられる点と致しましては…、」
 不意に声が掛かりました。
「ヴェローニカ様、ヴィルフリート様が急ぎの面会を依頼されております。その…、フェルディナンド様の事で、と。」
 思わず私達は顔を見合せました。ヴィルフリートとフェルディナンド、全く以て関係があるとは思えません。フェルディナンドについてはこれ以上無い程、悪く申しておりましたが、それ以上の何かは無い筈です。
「通して下さい。」
 迷いはありましたが、ジルヴェスターの行方不明でさえ、ヴィルフリートの耳に入れぬ様にしておりますから、逆に聞かねばならないのではないか、と考えました。
「ヴィルフリート、どうしたのです? 何かありましたか?」
「お祖母様、母上。父上は叔父上に誘拐されたのですよね?」
 突然、その様に言われ、思わずヴィルフリートの側近達に視線を向けますが、皆が酷く驚いていて、ジルヴェスターの事を話した訳では無いと解ります。
「ヴィルフリート、一体、何処で誰がその様な事を?」
「そんな事はどうでも良いでしょう? 父上が叔父上とその側近達と共に姿を消した、と言うのは隠せる話ではありませんよ。」
 呆れた様に返され、私は思わず言葉が止まります。ヴィルフリートの雰囲気が何時もと、昨日までとは全く違います。
「叔父上と父上が駆け落ち、とは思えませんし。ならば誘拐が一番妥当かと。」
 ヴィルフリートがさらりと出した駆け落ち、と言う言葉に、私は思わず尋ねます。
「ヴィルフリート、何処でその様な言葉…、」
「ですからどうでも良いでしょう? アチコチと脱走していれば、学ぶ機会はありますよ。」
 …眩暈がします。
「私はお祖母様に秘密と言う形で、叔父上と会った事があります。父上の手引きで。」
 え。
「父上は頼りになる弟だと言っていましたが、叔父上が父上を見る目は兄に対するモノでは無かったと思います。父上が母上を見る目に近かったかと。」
 …ええ。
「お祖母様が叔父上を悪く言う理由が大体解りましたが、叔父上は無自覚だった様ですし、父上は気付いてもいませんし、言及しない方が良いと思ってましたが…。」
 …えええ。
「あの顔触れで行方不明となれば、叔父上が自覚して、父上を浚ったとしか思えません。
 エーヴィリーベがゲドゥルリーヒを囲うが如く、父上を眷族から引き離したのでは無いでしょうか。」
 …もう何を言うべきなのか、思考が停止しています。
「それを踏まえてですが…、恐らく叔父上達はもうエーレンフェストにはいません。アウブを誘拐しておいて、エーレンフェスト内に留まる理由等、ありません。父上を囲うのも無理があります。」
「ですが、他領に行くと言うのも無理があるのでは? アウブの誘拐に協力する領地があるとは思えませんし、もしあったとしても、フェルディナンド様やアウブを受け入れる事は無いのでは?」
 私の代わりにでしょうか、カルステッドがヴィルフリートに意見を述べます(因みに途中から盗聴防止を使っています)。