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逆行物語 第四部~ハンネローレ~

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ジル



 ………………………………………………お2人が高みに昇った? 

 ローゼマインとフェルディナンド様は名を捧げ合っていた事が分かりました。ローゼマインの方が早く高みに、フェルディナンド様は後を追われたのでしょう。そしてユストクス、エックハルト、ハイデマリーも直ぐに後を追ったのでしょう。
 2人の葬儀には、多くの雄叫びが響き、御悔やみディッターが開催されました。
 そんな中で、ヴィルフリート様は私に申されました。
「ジルに会わせて貰えぬか?」
 と。目を見張る私に、ヴィルフリート様は仰せられます。
「ローゼマインや叔父上の話を聞いていて思ったが、ジルは普通の平民とも貴族とも付かぬ生き方をしている。言葉を敢えて選ばぬが、まるで愛妾の様な生活だ。
 だからと言って、本物の愛妾ではなく、その後の扱いには困るのが実情だろう。何の遺言も無いのだから、余計にだ。
 …私が引き取り、身の振り方を考慮したい。」
 ヴィルフリート様の申し出に、私も頷きました。

 自分と良く似たお顔立ちに、ジルは驚いている様でした。
「ハンネローレ、ジルと隠し部屋に行く。ランプレヒトとハルトムートだけついてこい。」
 きっと、長い話となるでしょう。私は4人の姿を見送りました。

 …ジルはエーレンフェストに戻る事になりました。どうやら記憶は全く戻っていないのではなく、朧気に思い出せる事もあり、昔馴染みがいる様でした。
「私がエーレンフェストにいた頃に懇意にしたギルベルタ商会、ローゼマインが考案した産業を下ろした商会なのだが、どうもそちらにいる人物の様だ。時折、手紙をやり取りしているから直ぐに分かったのだが。
 …ジルの事を知らせてみれば、昔馴染みの女性は、未だにジルの存命を信じ、待ち続けているとか。当時は私も、恐らくマインも知らなかったと思うが、婚約の約束があったとか。
 ギルベルタ商会の代表者は信用に足る人物。ジルの預かり先として、申し分無い。
 …お祖母様ももう…、高みだしな…。」
 少し、その目が寂しそうに見えて、私はそっと寄り添いました。
「ジルの事…、アウブに伝えましょう。」
「エーレンフェストに送る際は…、私の久々の里帰りに付き従わす形にしようと思う。只の平民に貴族が付き添うのは目立ち過ぎる。…それも含めて、アウブに伝えて貰えるか?」
「畏まりました。」
 私はそのまま頷きました。

続く