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逆行物語 第二部~アナスタージウス~

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決着



 王族に忠誠を誓っていると思っていたラオブルートは、ランツェナーヴェと通じていた。狙いはランツェナーヴェの人間に、玉座を渡す事だったのだ。
 エーレンフェストを狙うゲオルギーネはランツェナーヴェとラオブルートに協力する事で、未知なる毒物や魔力を防ぐ防具を手に入れていた。
 トルークと言う薬物がアーレンスバッハと中央に蔓延していた。幸い、ヴァッシェンで洗い流せたが…。
 ヴィルフリートの要求通りにした事で、これだけの事が判明し、兄上と共に早い目に手を打てた。
 魔術具グルトリスハイトは、無事に兄上の手に渡り、ツェントの座を交代した。メスティオノーラの書は早い目に手に入れなければならないと、父上に相談した結果、ヒルデブラントを兄上の養子とした上で、属性と魔力量を増やしていく事になった。
 各領地に神殿の在り方を伝える為に、エーレンフェストに神殿研究をさせる事にし、徐々に総てでは無いが、在りし日の貴族院に戻して行く為の布石とした。
 アーレンスバッハの貴族達は処刑した者も多いが、ゲオルギーネに薬物を使われていたと判明した者は減刑する事にした。
 ディートリンデとレティーツィアがその例だ。2人共、領主候補生の身分を剥奪し、エーレンフェストの神殿研究に協力し、その成果次第で、身分を戻すとした。
 新たな王命として、2人をアウブ・エーレンフェストの養女にする様に、と命じた。アーレンスバッハ自体はエーレンフェストに吸収させ、統治を任せる事にした。

 そしてフェルディナンドは……、エーレンフェストの籍であったので、そのまま返した。…アウブ・エーレンフェストの第2夫人となる様にさせた。…アウブ・エーレンフェストが「何でこんな事に…、」と言っていたが、それについては息子に言え、と念じて置いた。
 まともに見えて、その実、ローゼマイン以上にとんでもない事を仕出かしたヴィルフリートに文句は言ってくれ。
 否が応でも上位領地として社交をして貰うからな。

 大領地エーレンフェストから、新たな魚料理を含む流行りが生まれて来るのはそれから間も無くの事である。 
















 ローゼマインが卒業して4年後、生来の虚弱体質が災いしたのか、高みに昇ったと報告があった。
 それにより、ヴィルフリートの第一夫人の座が空いた。第二夫人のディートリンデ、第三夫人のローゼマインの側近であったブリュンヒルデは繰り上がる予定はない様だ。もしかすれば、レティーツィアがその座に着くかも知れないらしいが、まだ分からない。
 エーレンフェストがどうなって居るかは不明だが、既にアウブを継いだヴィルフリートに揺れる様子は一切無かった。

続く