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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「熟女アンドロイドの恋」 第十五話

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「間違っているのは犯罪行為を隠そうとしているアメリカと日本政府です。私は日本国民と善良なアメリカ国民を愚弄する者ではないのです。利害関係的な考えで話をするのはやめて頂けますか?
利益がどちらにあるかではなく、正しいことは最優先されるべきだということです」

国王が質問した。

「聞かせて頂けませんか。内藤さんが日本で裁判をして何を得ようとされているのかを?」

「私はあの事故を目撃して記事を書いた父が失踪したと聞いたときから、今も生きているだろう父を探したいとの思いに駆られました。
長い月日が経って半ばあきらめかけていた時に、ある場所で妻と出会いました。これは偶然ではない、運命だったのだと気付かされました。
彼女もまた不幸な現実を体験させられ、忘れようとしていた時に私と出会いました。
具体的に動き出したら様々な妨害に遭うようになりました。そのことがある人たちには不都合であることを私たちに突き付けました」

「確か85年に起こった日本の飛行機墜落事故でしたね。不運にも山の尾根に墜落したとか。梓さんがその事故機に乗っていた一人だったというわけですね。そして救出された後で不都合な約束がなされたと・・・
その事実を暴いて日本政府と航空会社から謝罪と慰謝料を引き出したいとお考えなのですね?」

「国王、違います。あの時飛行機を墜落させたのは自衛隊機だったと父は疑いました。しかし、調べてみるとどうやら厚木基地のアメリカ軍から発射された訓練用ミサイルが尾翼に命中してコントロール不能に陥ったということでした。これは民間機を結果的に墜落させてしまったので絶対の機密になりました。政権が変わっても政府の機密公開には適用とされない絶対機密として葬られています」

「それは真実なのでしょうか?いくら訓練と言えどもアメリカ軍が民間機を狙うはずがありません。情報提供者は米軍に恨みを持つ何者かの仕業ではないのでしょうか?」

「それは私も疑いました。私に情報をくれたのはアメリカ大使館で捉えられていた時にリーダーとして働いていた秘密組織の男です。私の気持ちに同情したのでしょう、同じ日本人として真実を語りました。彼は日本のトップからの指示で動いていたふしがあります。国外追放という措置で二度と故国に足を踏み入れないと思ったから私に全部話したということも考えられます」

「内藤さんご自身はアメリカ軍の発射した訓練用ミサイルで民間機が墜落したとお考えなのですね?」

内藤は大きく頷いて答える。