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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「熟女アンドロイドの恋」 第十四話

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「内藤さん。私とニューイスラエルが保証人になっているということが、あなたと梓さんの安全を担保しているということです。そのようなご心配はなさらなくてもよろしいと思いますが」

「エイブラハムさんを信用していないと言っているのではありませんが、私の条件は帰国して裁判をするということが絶対事項です。そのことを一番お分かりのあなたからのお言葉とは思えませんが」

梓も内藤の言ったことに同調した。
エイブラハムはあらかじめストリーツカから書面を見せられた時に、これでは納得してくれないだろう気持ちを伝えていた。
しかし、本国とアメリカとの話し合いで譲れる最大限の内容だと念を押されて、今日に至っていた。

「ストリーツカさん、再度アメリカに戻られて検討してください。私と梓は我慢強く待ちます」

「そうですか。これ以上の譲歩は無理だと思いますが、上に諮ってみます」

「アメリカに正義があるのなら、私の要求は受け入れられて当然だと考えますが、返事が同じような内容であれば、アメリカには正義などないと判断せざるを得ません。そのことをハッキリと伝えてください」

渋い表情で帰路についたストリーツカは万が一のことを考えて、エイブラハムへメールを送信していた。
それは、内藤が他国との交渉に入らないように監視して欲しいというものだった。

会談が行われた夜、エイブラハムは内藤夫婦を食事に誘った。
ニューイスラエルの国王も同席するという単純な食事会ではなかった。
席上国王は和やかな表情であったが、時折エイブラハムへ強い視線を送っていた。

「内藤さん、会談は不調に終わりましたが、私は研究を優先させることが今は先決だと考えています。産業スパイも含めて全世界があなたの技術を狙っていると言っても過言ではありません。
私やこの国が十分な警備をしていても周辺諸国の状況や広い砂漠地帯でのゲリラ活動をすべて防御することは不可能です。
梓さんの安心を一番に考えれば、アメリカに行かれることがベストだと判断してストリーツカさんの提案を受け入れたいと思ったんです」

内藤は梓の顔を見てからそれに答えた。