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てっしゅう
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「熟女アンドロイドの恋」 第十二話

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ストリーツカはエイブラハムから内藤と妻の梓の状況を聞いていた。
出国が日本政府から禁止されている現状で秘密裡に連れ出すことは叶えられないと感じていた。

「ストリーツカさん、私と妻の立場はご存じだと思いますが、このままこの国で一生を過ごすことには耐えられません。貴社の、そしてアメリカ政府の強い支援があれば日本政府も入国を拒否することも出来なくなると思います。そのために力を貸して戴ければ、全面的に研究成果は提供したいと考えています」

「なるほど、そういうお気持ちですか。私共の力が及ばなかったとしたらどうお考えですか?」

「はい、この研究成果はどこの国でも欲しいものだと考えられます。エイブラハムさんの協力なしでは成し遂げられなかったとはいえ、自分と梓がやり残したことがあるので、日本へ帰国することへの最後のチャンスが来ているということです。なので、望みを叶えてくれる国家、または企業と最終合意をしたいと思います」

「日本政府は世界有数の大国です。国連の理事国でもあるので簡単にアメリカと言えども無理難題を押し付けることは不可能だと考えられます。そして永久に許されないというわけでもないでしょうから、今しばらく待つということが望ましいと考えますが、いかがでしょう?」

「私が急いでいることには理由があります。日本で行われているある裁判にどうしても妻の梓が出席しないと訴訟そのものが受け入れられないんです。それは大変な問題を含んでいるので私は拉致されましたし、梓は命を狙われる危険を感じてエイブラハムさんとここに避難しました。裁判は法治国家で民主国家である日本は堂々と受け入れるべきです。闇に葬ろうとする動きには戦うしかないのです。アメリカ軍の不始末も含まれている内容なので、両国の裏側の組織が手を組んで妨害したと思われます」

「内藤さん、それが事実なら我々アメリカの正義を守る組織が反政府組織と戦う大きな理由となります。詳しく教えて頂けませんか?」

「失礼ですが、ストリーツカさんはなにか問題を抱えておられるということがあるのでしょうか?私はアメリカに出国できれば、それ以降は考えている行動を起こそうと思っているんです。日本政府に直接交渉をして頂けなくても構いません」

ストリーツカはエイブラハムの視線を気にしながら答える。