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てっしゅう
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「熟女アンドロイドの恋」 第十一話

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羽田空港に向かう途中に梓から返事が来た。
税関に連絡しておくので大丈夫だということになって、ドバイ経由でチケットを購入して内藤は何と事前に用意されていたパスポートを受け取って出国した。
いつの間にか写真を撮られパスポートが作られていたことに驚きを隠せなかった。
これが国家権力と言うものなのかと、相手の大きさを教えられた。

内藤と梓が居なくなって、85年墜落事故訴訟メンバーたちは落胆した。
連絡もなく問い合わせても返事が無いことを恨みに思っていた。
フライト前の機内で思い出したように内藤は訴訟メンバー代表の平山に電話を掛けた。

「平山さん、連絡が遅くなってすみません。偉いことになりました。私と梓を拉致しようとした奴らに捕まってしまい、挙句に言われもない罪で国外追放となってしまったんだよ。今機内に居るけど、これからあるところへ向かう。そして梓と再会する。しばらくは日本には戻って来れないと思うのでお詫びをしなければならない。こんなことになるとは思ってもみなかった」

「内藤さん、ご無事でよかったです。私たちは連絡がこないし、取れなくなったのでガッカリとしていましたが、そのようなことになっていたとは知りませんでした。今は自分たちで何とか頑張りますので、無理をなさらないで下さい」

「そう言ってもらえると安心できるよ。いつか必ず奴らの不正は暴くつもりだよ。梓がこちらに居る限りそれは叶う事なんだ。再会できる時まであなたこそ無理をしないで頑張っていて欲しい」

内藤は自分と梓の命と引き換えに彼らの思いを裏切ってしまったことを悔しく思った。近い将来必ず日本へ戻って今日の無念を晴らすことを心に誓った。
ドバイを乗り継いで内藤はニューイスラエルにたどり着いた。

空港ではエイブラハムが待っていた。もちろん梓もいた。
問題なく通関を済ませて二人と再会した。

「内藤さん、大変でしたね。ようこそ我が国へ。歓迎します」

「エイブラハムさん、梓を守ってくれてありがとう。そして、ニューイスラエルに感謝だよ」

梓は駆け寄って内藤の胸に顔をうずめた。

「すまない。こんな形になって会うとは。出国前に平山さんには詫びてきた。しかし、決して断念したわけではないよ。それは覚えておいて欲しい」

「内藤さん、以前より強く私の心には今回の日本政府と犯罪組織がしたことを恨む気持ちが生じました。必ず帰国して戦いましょう」

梓のその言葉は内藤を勇気づけた。