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てっしゅう
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「熟女アンドロイドの恋」 第五話

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魔王のママは一年ぶりに再会する梓を見て、彼女が幸せであることを直感した。
きっと内藤の妻になっているのだろうと感じていた。

「梓さん、内藤さま、お久しぶりです。ようこそ魔王へお越しくださいました」

「ママ、ありがとう。ここは落ちつくよ。ああ、そう、こちらは平山さんと言ってこれから僕たちが起こす裁判の代表者なんだ」

平山はそんな紹介の仕方をして大丈夫なのかと思ったが、それは直ぐに打ち消された。

「初めまして、魔王の藤木です。梓さんはここでは皆さんに慕われていたので、本当に辞めると言われたときは動揺しましたが、こうしてお幸せな表情を見ていると何だか羨ましいって思いますわ。これからもよろしくお願いしますね」

「こういうところは初めてなので礼を欠きますが、よろしくお願いします」

平山は初めてクラブに来たわけではなかったが、これまでのような俗っぽい場所とは一線を引いていると感じていた。
それだけで信頼できると判断できた。

「早速ですが、平山さん、枇々木さんを証人として申請するのと同時に、新たに証拠物件を提出しようと思うんです。それは父が残していたメモなんですが、あの日事故直後に見たことが部分的に書かれているんです。下書きなのか、現場でメモを取ったのか解りませんが、自衛隊員との遭遇も書かれてあるので今回はその点を重視して裁判で論じたいと思っています」

「そうですか、裁判員がそのメモを証拠として認めるかどうかですね」

「そんなことはいいんです。傍聴席にいる記者たちが私の話していることを聞いてどう報じるかです」

「なるほど。裁判そのものが始まるということが大きなことなのですね」

「そうです。航空会社と自衛隊に対して裁判を起こしたということが大きい事なんです」

内藤はこの時点で裁判が始まればもうそれだけで勝利宣言をしてもいいとさえ感じていた。
これまで遺族の真相究明要求に背を向けてきた国と航空会社に対して、世間やマスコミは新事実の公表に大騒ぎする。その時が迫ってきていることは確かな事であった。