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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「サスペンス劇場 大空に蘇る」 第二話

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「おかしいなあ~方向は合っているのに飛行場が見えない・・・」

そう操縦士がつぶやいた。

「私には見覚えのある景色だよ。もっと高度を下げればハッキリとするので頼めるかな?」

機体は1000メートルを超えて降下した。
大きな建物が全く見えない。見覚えのある川には橋も掛かっていない。

「やはりだ!これは私が所属していた基地の周辺の景色に見える」

「何と言われました?所属していた基地?それは72年も前の事でしょう?」

「ああ、そうだ。しかし、現実の景色はそう見えるんだ。少し西に飛べば飛行場が見える。確認してくれ」

信じられない表情で望月に言われるまま機体を西側へ振った。
目の前に見えてきたのは、確かに飛行場だった。

暫く上空で旋回していると、何とゼロ戦が二機飛んでくるではないか・・・
操縦士はわが目を疑った。

「あの機体は・・・中尉殿だ!」

望月がそう叫ぶ。もう何が何だか分からなくなっていた。
相手の操縦士が確認できるぐらいに接近して手を振る。そして降下せよと合図をしていた。

「望月さん、どうやら着陸せよと指示を出しているようです。ここは従った方が良いですよね?」

「そうだね。逃げると撃たれると思う」

「撃たれる?それは戦争中ということですか?」

「そうなるね。中島さん、信じられないがあの黒い雲の中でタイムスリップしたようだ。今はきっと大東亜戦争中だろう」

こんな動揺する精神状態でも中島は機体をぐらつかせることなく見事に着陸させた。
腕前を評価されたのだろう、大きな拍手が浴びせられていた。

指揮官か所属責任者にあたるのだろう、先ほどの飛行士がこちらへとやって来た。
機体から離れて中島と望月は応対した。

「見慣れぬ機体だが、貴様らはどこの所属だ?私は大島中尉だ」

「やはり大島中尉殿・・・信じられないでしょうが、望月です」

「望月?あの望月だというのか?」

「72年の未来からやってきました」

「死んだのではなかったのか?」