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てっしゅう
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novelistID. 29231
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「サスペンス物語 大空に蘇る」 第一話

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サイパン沖で見つかったゼロ戦の機体を日本に持ち帰り修復してもう一度大空を舞おうという企画が、とある企業の出資で始まった。

残念ながらエンジンは修復不可能に破損しているので、新しく外国のメーカーから購入し、高性能な水冷エンジンとして搭載された。
外観は設計図に近いように戻されたが、操縦席の中は現行のセスナ機のようなメーター類が設置された。

初飛行の時に、第二次大戦当時のゼロ戦搭乗員たちが招待され、晴れの姿を楽しみにしていたが、一人の元飛行士がぜひ自分も搭乗してみたいと申し出ていた。
今回修復されたゼロ戦は二人乗りにも改造されていた。理由は安全な飛行が確認されたら、一般に希望者を募り飛行体験をしてもらいたいとの思いもあった。

困難を極める手続きになると思われるが、夢のある企画だと推進に力を入れていた。
申し出のあった元戦闘員は大戦当時優秀な搭乗員であったことが確認され、後部座席に乗ることを許された。

「では望月様、搭乗の準備をお願いします」

係りにそう言われて今年90歳になる望月は、しっかりとした足取りで目の前のゼロ戦に搭乗した。
自分が乗っていた当時とは違う印象があったが、座席から見る風景はまさに当時と変わらないと感じていた。

「本日の操縦を任されました中島春樹と言います。望月様よろしくお願いします」

「中島さん、今日はとても楽しみにしていました。72年ぶりに興奮していますよ。こちらこそよろしくお願いします」

「お聞きしたところ望月様は元ゼロ戦パイロットだったとか、是非この機体が優秀であることを実感して頂けたらと思います。エンジンはロールスロイス製の液冷式ですが、外見上はオリジナルに近く見せています。操縦桿はセスナ機のものになりますが、こうしないと認可が下りなかったので致し方ないところです」

「私はこの機体がオリジナルである以上、新しいゼロ戦だと認識していますよ。大戦中にこれがあればもっと活躍できたことでしょう」

「ありがとうございます。ではエンジンスタートします」

赤いボタンを押してエンジンがかかる。それは当時の星型エンジンのような掛かり方ではなく、車のように素早く始動し音も静かだった。
カーボンファイバー製のプロペラが気持ちよく回転する。
最新式の電動アシストで両輪が動き、スムーズに正確に滑走路へと機体を誘導する。

「では、離陸します」

うなり声をあげるエンジンと共に機体は加速し、あっという間に大空へと舞い上がった。
望月はその性能に感心した。

「素晴らしい性能ですね。バランスも良いと感じました」

「ええ、そうなんですよ。私も初飛行の時はこれがプロペラ機なのかと思わされました」

「速度は最高でどのぐらい出るのですか?」