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赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま 66~70

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赤襟の清ちゃんと、三毛猫のたま (66)
 雷鳴の中で

 雷鳴は、空中で放電現象が発生したときに生じる音のことで、
地面に落下したときの衝撃音ではない。
放電の際に放たれる膨大な熱量が、周辺の空気を急速に膨張させる。
勢いが音速を超えた時、衝撃波が発生して、雷鳴になる。

 稲妻は光速で伝わる。ほぼ瞬時に到達する。
これに対し雷鳴は音速で伝わっていくため、稲妻よりかなり遅れて到達する。
発生した場所が遠いほど、雷鳴までの時間が長くなる。
そのため到達までの時間を計れば、おおよの距離を把握することができる。

 「間違いねぇな。雷は確実にここへ、近づいてきているようだ・・・」

 2人の作業員が逃げ込んだ三国の避難小屋へ、下山中の登山客が
数名、雷鳴に追われるように駆け込んできた。

 「上の尾根で、横に走り抜けていく稲妻を見た。
 あんな凄い稲妻は、生まれて初めてだ。
 ガスの切れ間にここの避難小屋が見えた時、まさに地獄に仏の心境でした。
 無事にたどり着くことができて、ようやく、ひと安心です」