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ひなた眞白
ひなた眞白
novelistID. 49014
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春はまだ先 探偵奇談14

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でも、そこが何だか年相応というか人間味があって、伊吹は微笑ましく思うのだった。

「恥ずかしい…穴があったら入りたい…」

頭からタオルを被ってズーンと落ち込んでいる。本当に珍しい光景だ。

「そんな日もあるだろ。俺今日は絶対負けないんで、とか言ってたけどさっき」
「うああ…!!」

悶えている。もっと意地悪してやりたくなったが、これは伊吹にも責任の一端があるような気がしてこれ以上いじるのはやめておく。瑞はたぶん、伊吹の為に勝ちたいと思ってくれていたのだ。複雑な事情と伊吹の気持ちを察して、どうにかして伊吹の気持ちを鎮めたいと思ってくれていたのだと思う。

「気にするな。あとは俺が頑張る番だ」
「…最後は主将戦ですね」

交流戦のラストは四校の主将の競射だった。因縁めいてはいるが、やるしかない。瑞の気持ちを切り替えるためにも、ここは主将としてやるしかない。伊吹は準備のために立ち上がった。

「主将!」
「伊吹!」
「負けないで下さい!」
「応援してっから!」
「愛してます!」

元カノと今カレとのあれやこれを知る部員らが立ち上がって見送ってくれる。何だか気恥ずかしいが、その気持ちは嬉しかった。支えてもらっていることを実感する。

「ありがとう。行ってくるよ」

今日ここで決着をつけられるかもしれない。自分の気持ちに。