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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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Dream&Calling

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 翌日、ライブ関係のミーティング終了後、スティーブンは昨日のことをヴォーカルのフィルに話した。話している途中で涙を拭いながら。
「へえ〜、サラ、夢に向かってまた歩き出そうとしてるんだ。よかったね」
 フィルはシュルツ母子のさまざまな苦労を知る人物の1人なので、彼らの16年間を脳内プレイバックしているうちに、
(サラは長年、笑顔の裏でいろいろな悲しみや苦しみに耐えてきた。そんな境遇の中でも夢をかなえたわが子に感化されて、自分自身も夢をかなえようと決めたんだね…)
 と心の中でつぶやき、涙をこぼした。
「やっぱり僕、こういう話には弱いみたいだ…。それにしてもスティーブン、生き生きと音楽やってる君の姿が、ほかの人が新しく一歩踏み出す勇気を与えた。だからギタリストっていうのはまさに君の『天職』だと、僕は思う」
 フィルは、少年の肩を軽くたたいた。スティーブンは潤んだ両目をこすると、フィルの顔を見た。
「天職、ですか…?」
「そうさ」
 すると、そのやりとりを横で聞いていたベースのジミーも口を挟んだ。
「自分もガチでそう思うよ。それとヴァイオリニストっつうのも、サラの天職になりそうだ」
「確かにそうだね」
 フィルも同意すると、ギターのヒューゴも話に加わった。
「俺も2人に完全同意だ。ちなみに俺の想像じゃあ、数年後にプロのヴァイオリニストになったサラもまた、夢に進む人の心にエンジンをかけてる…」
 そう言って、彼がふと窓の外を見ると…。
「あ、雪がみぞれになってるな」


 LOVE BRAVEの4人は、窓越しに空を見上げた。
作品名:Dream&Calling 作家名:藍城 舞美